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決断の遅さに欧州企業はウンザリ? 日本企業の「見ない文化」の問題点 (1/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 先月末からイタリア自動車関連企業の複数事業所において、マネージャークラスを相手に日本文化理解コースを実施している。イタリア人ビジネスパートナーであるマルコ・マッサロットが講師としてメインで話し、日本人であるぼくがアシスタントとして時々エピソードや文化現象の変化について解説する。朝9時から午後6時まで丸一日かけておこなう。(安西洋之)

 ぼくの知る限り、日本の企業では駐在予定の人に対する赴任地文化のコース、ビジネス・製品開発を主とした新興国市場理解といったコースは目にするが、日常業務の質向上を目的とした異文化理解研修はあまり聞かない。そういう例は、殆どが北米や欧州の企業から耳に入る。

 イタリア人から受ける質問や彼らが印象に残っている日本経験談は、ぼくがこれまでにどこかで聞いたような内容であることが多い。だが、数人のイタリア人に冗談を交えて断片的に話す日本文化と、ノートを手にした数十人を前に体系的に話す日本文化の姿は自ずと違ってくる(交渉の説得のために使う、文化解説もまた異なる)。

 こうした場で出てくる「日本の企業は交渉のステップに対する時間管理をどう考えているのか?」という質問は、回答する側にとっては、なかなかスリルに満ちている。芋づる式にいろいろな現象の説明に繋がっていくからだ。

 日本の人が時刻を守るのに厳格であることは、他の国の人たちも十分に承知している。約束の時刻の5分前には到着している、過密スケジュールの新幹線が遅れない。まさに製造業のジャストインタイムを支える基盤として見なしている。

 しかしながら、なぜ交渉事はダラダラと続くのか? いや、正確な表現ではない。なぜ欧州人の目にはダラダラと見えてしまう進行になるのか?

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