【ローカリゼーションマップ】決断の遅さに欧州企業はウンザリ? 日本企業の「見ない文化」の問題点 (2/3ページ)

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 日本のビジネス風土では、水面下の交渉や根回しというプロセスにおいては、時間コストにあまり敏感ではないと言える。オフィシャルになったプロジェクトで時間コストがカウントされるのは当然だが、オフィシャルになる前の検討プロセスでは、そこに合計何時間投資されたかを欧州企業ほどには勘案しない。

 というか、日本企業は検討プロセスに対して時間の見積もりをあまりやらない、といった方がよいだろう。案件をオフィシャルにするタイミングは事前に決めるのだが、それまでにどれだけのエネルギーを費やすかを計画するのを避ける。

 こういう説明をすると、イタリア人の質問者は大いに驚く。だが、これを鍵にしていくつかのことが見えてくる。

 例えば、日本の企業は、なぜ調査と称して視察や情報交換に多くの時間を費やすのか。

 一つは日本が属するハイ・コンテクスト文化の行動パターンと説明できる。ハイ・コンテクスト文化とは、対象だけでなくその周辺を把握してこそ、対象が理解できると確信する文化である。そのため関係あると思われる「周辺事情」のすべての情報収集に懸命になる。

 そして道を極める性格(=完璧主義)とリアルなディテールに重きをおく傾向(=現場主義)が加わる。こうして日本の人は、事前に穴は潰したからオフィシャルにプロジェクトがスタートした時の間違えは少ない、との自信をもって「是非、ビジネスをご一緒したい!」と相手に申し出ることになる。

問題はアプローチの優劣を問うことではない