近ごろ都に流行るもの

献立の悩み解消、具だくさんの一杯…「一汁食」のすすめ (3/4ページ)

 同社が50~60代女性400人に行った意識調査によると、「普段の食事から健康に気を使っている」が88.3%にのぼり、70.5%が「毎日の料理作りが面倒」と感じていることが判明。さらに、子供が巣立った後の「夫と自分のための食事は適当に済ませたい」と答える主婦も過半数を占めた。

 同社の広報担当者は「当社のだしやコンソメなど、和・洋・中の調味料を活用して、心もおなかも満たされる健康的な一汁食を作ってもらいたい。1人暮らしの若者にもすすめています」と話す。ウェブ上で動画広告「これ一杯で、ちゃんとごはん。」を展開。25品のレシピを発信している。

 一汁食は外食でも人気だ。「茅乃舎(かやのや)だし」で知られる久原本家(福岡県久山町)は、東京駅と六本木の東京ミッドタウンで「汁や」を展開している。

 「博多雑煮セット」(東京駅店限定、1580円)は雑煮、十穀米、香の物というシンプルな一品。一番人気の「九州の豚汁セット」(1280円)は霧島産豚肉と野菜がたっぷり。今月は10日から24日までご飯が筍入りになり、春の到来が味わえる。

 広報担当者によると、「近隣のオフィスワーカーが、帰宅前に立ち寄って夕食をとられています」。汁もの独特のホッとする癒やしが胸にしみる。

 3月に発売された小学生の男児を持つ料理研究家のワタナベマキさんによる「何も作りたくない日はご飯と汁だけあればいい」(KADOKAWA)など、「一汁食」レシピ本も続々出版されている。

 発端は料理研究家の土井善晴さんが平成28年10月に出版した「一汁一菜でよいという提案」(グラフィック社)だ。26刷15万部と版を重ね、共感を広げている。

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