先日、保険診療と自由診療の違いや、自由診療の中に先進医療という枠組みがあることを紹介した。その他に治験という枠組みもある。先端治療という名前は、その自由診療の中の先進医療以外の部分を指す。ただ、こういった言葉は自分たちで勝手に命名しているだけで、決まった定義があるわけでもない。実際には統合医療、代替療法、民間療法なども同意義で使われていることが多い。(GMS・竹内規夫社長)
簡単にいうと保険診療や厚生労働省で決められている先進医療、治験以外すべての治療が先端治療と名乗ることができるということになる。それらの善しあしを判断できる基準はないため、注意深い判断が必要だ。国の予算で行っているホウ素中性子補足療法や免疫細胞療法、PDTやトモセラピー、抗がん剤、分子標的薬などは他の条件下では保険診療で行える治療だが、違う条件で使う場合も自由診療で行うことが可能で、そういった治療も先端治療の名前で言われることもある。
民間で行われている遺伝子治療、樹状細胞療法、NK細胞療法は有名だが、他にもペプチドワクチン療法、T細胞療法、マクロファージ活性化療法、高濃度ビタミンC点滴療法、オゾン療法などは有名だ。その他にも、サイマティクスやコロイドヨードなどさまざまある。
先端治療と呼ばれる治療を行う際の注意点は、がんを小さくしたり、消したりするということに対して、手術や放射線に比べて優れているというわけではない、ということだ。