教育・子育て

脳性まひの16歳、定時制高校へ (下)「壁」は一緒に越えるもの (2/4ページ)

 また、通常の学級で学びながら、社会に適応する術を障害に応じて学ぶ「自立活動」の指導を個別に受けることができる「通級」の制度が、30年度から高校でもスタート。社会問題化している発達障害への対応を念頭に、進学後の支援も少しずつだが整えられてきた。

 合理的配慮にも限界

 つまり、高校進学に壁があると考えられるのは、主に知的障害のある生徒や、医療的ケアなどさまざまな支援が必要な重度の障害のある生徒といえる。高校には特別な教育課程を編成できる特別支援学級の制度がないため、生徒は通常の学習指導要領に従い学び、知的障害のある生徒は困難に直面してしまうからだ。

 障害者差別解消法に定められた合理的配慮という法的な義務が行政、学校、企業に求められている。これは障害のある人の人権が、ない人と同じように保障され、教育や就業などの場で行われる配慮のことだ。

 これが障害のある子供たちが学校の場でサポートを受けることの根拠だが、この合理的配慮は、均衡を失した又は過度の負担を課さないものとされている。教育関係者によると、義務教育ではない高校では生徒に対する公平性などを考慮して、重度の障害のある生徒を最大限伸ばす教育を行える体制がないことがほとんどで、受け入れに慎重になるという。

 広がる地域差

 こうした課題について国側も検討を始めているが、まだ取り組みは自治体に任されているのが現状だ。障害のある生徒をどれだけ受け入れるかは自治体によって異なり、取り組みの進め方にも大きな地域差がある。

 神奈川県では28年度に県立高校3校を「インクルーシブ教育実践推進校」に指定。翌年度から通常の学級1クラスに3人ずつを目安に軽度の知的障害のある生徒を受け入れる施策を始めた。

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