教育・子育て

脳性まひの16歳、定時制高校へ (下)「壁」は一緒に越えるもの (3/4ページ)

 推進校では、教員2人によるチーム制の指導や映像などを使った理解しやすい授業を行うことを心がけ、どの生徒も同じ教室で学ぶことを基本に足りない部分を個別指導や少人数指導で補う。成績評価は画一的でなく、生徒ごとに理解の目標を設定する個別の指導計画を立て、目標に応じた絶対評価を行っている。

 同県では以前から高校と特別支援学校の人事交流を行っており、そうした積み重ねもあって取り組みが可能に。来年度から指定を14校に拡大することを決めた。担当者は「障害のある生徒もない生徒も『認め合える関係』をつくることを目指している。まずは軽度の知的障害のある生徒の進学を当たり前にし、そのノウハウを踏まえてその先を考えたい」と話す。

 大阪は独自の取り組み

 大阪府の歴史はさらに長い。大阪では知的障害のある生徒を高校で受け入れる方策について13年度から本格的に検討を始め、18年度にともに高校で学ぶ「自立支援コース」と特別支援学校に籍を置きながら高校で学べる「共生推進教室」が制度化された。現在は計17校に設置されている。

 成績評価の面でも府教委は13年、評価方法を障害に応じて検討し、「多角的、総合的に評価する」よう全府立高校に通知。これを受けて通常の高校に重度の障害のある生徒が通うことも珍しくなくなった。府ではさらに、必要があれば高校に看護師や介助員、学習支援員を配置するなどの受け入れ環境の整備にも積極的に取り組んでいる。

 「将来の生活」中心に

 権田さんは昨年、神戸市立の夜間定時制高校を受験。別室受験や時間延長、教員による入試問題の読み上げ、代筆などのサポートを受けて臨み、解答が可能な選択問題では得点を取ったが、不合格となった。その後、定員を補充するために行われた再募集でも合格できず、1年の浪人生活を経て、今年3月も再び同校に挑戦。定員80人に対し受験者は39人という状況だったが不合格となり、再募集は「少しでも可能性のある学校を」と湊川高に志望変更して合格した。

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