ヘルスケア

アルツハイマー血液検査は「もろ刃の剣」 見える希望か、わかる不安か (1/3ページ)

 ノーベル賞受賞者で島津製作所(本社・京都市)のシニアフェロー、田中耕一氏(59)が同僚らとともに約10年にわたる研究の成果として開発したアルツハイマー病発症に関連する物質を検出する血液検査は、もろ刃の剣だ。

 記憶力などが低下する認知症の一種であるアルツハイマー病の根治治療薬がない中、発症リスクのある人々を特定しても認知症の緩和にはつながらず、不安が強まる可能性がある。ただ、この患者の身体的負担を小さくする低侵襲の検査は、研究に参加する最適な患者の特定や、治療薬開発の迅速化に役立つだろう。世界のアルツハイマー病患者は2050年までに約1億5200万人に達すると予想されている。

 根治の治療薬なし

 田中氏はインタビューで、治療薬がないため血液検査の利用については「気を付けないといけない」と話す。開発した血液検査がいつか日常的に利用されることを望んでいるものの、それは現時点では製薬会社と研究施設に委ねられていると述べた。

 アルツハイマー病の明確な兆候が発見されてから100年以上が経過し、スイスのロシュ・ホールディングや米イーライリリー、エーザイなどが多額の資金を研究に投じている。ただ、依然として病気を根治する治療薬は開発されていない。

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