終活の経済学

思い伝える最後のメッセージ 夫婦で考える終活「遺言の書き方」 (1/3ページ)

 終活は一人でできることも多いが、やはり家族で話し合うことが肝心だ。とくに夫婦の間で意見が違っては安心のエンディングは迎えられない。葬儀やお墓について考えることは決して不吉なことではない。必ず訪れる「その時」に向けて、準備をためらってはいけない。

 相続争い防止に

 夫婦で終活を考える際に、まずやっておきたいのが「遺言」だ。もちろん遺産分割の方法を示すことで、相続争いを防ぐ意義は大きい。しかし相続専門の司法書士、青木郷さんは「遺言書は大切な家族に伝える最後のメッセージと考えてほしい」と強調する。

 「司法書士として相続の手伝いをしている実感からすると、遺言書がないためにもめるケースが多く、もっと遺言を書く人が増えてもいいのではないかと思う」と青木さんは話す。

 公証人連合会によると公正証書遺言については2008年時点で7万6436件だったのが、17年現在では11万191件と、確かに年々増加している。自筆証書遺言に関しては統計がないが、1年間で亡くなる約130万人のうち何らかの遺言を書きのこしている人は2~3割程度とみられる。

 「遺言を書かなければならないほど財産はない」という人がいる。しかし青木さんは「これは大きな間違い」だという。司法統計によると16年度に家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割事件は75%が5000万円以下のトラブルなのだ。「もめるのは、分割しにくい不動産が遺産の大半を占めている場合で、司法統計もそれを反映しています」。自宅などの不動産をどう次世代に遺していくか。それを遺言で明らかにしておく必要があるだろう。

 青木さんは「遺言書は、いかに遺産を分割するか、も大切だが、どんな思いをもって財産を分割するのかを伝えることに意義がある」と訴える。その意味でビデオレターの効用についても強調する。

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