ヘルスケア

魚の眠りにヒトとの共通点 日米仏チームが発見、ネイチャーに発表

 魚が眠っている際の神経細胞の活動に、ヒトなどの哺乳類や鳥類、爬虫(はちゅう)類と共通する特徴があることを、日米仏の研究チームが発見した。脊椎動物の進化の過程で、魚類との共通祖先と分岐した約4億5千万年前までには、眠りの原型ができていた可能性を示す成果だ。英科学誌ネイチャーに発表した。

 米スタンフォード大と国立遺伝学研究所などのチームは、小型熱帯魚のゼブラフィッシュを研究に使用。脳が透明な生後1~2週齢の幼魚で、神経細胞が活動すると緑色に光るよう遺伝子改変した個体を用い、睡眠時の脳の発光の領域などを観察した。

 また、薬物を投与して眠らせ、脳波や心拍数、筋肉の活動度、眼球運動などの推移を詳しく記録した。

 ヒトの睡眠は、眼球が急速に動くレム睡眠と、眼球が動かないノンレム睡眠を繰り返すことが知られている。実験の結果、ゼブラフィッシュには、レム睡眠と、ノンレム睡眠のうち深い眠りにあたる「徐波睡眠」にそれぞれ似た特徴が見つかった。睡眠を制御している脳の領域にも、哺乳類との類似性が見られた。

 レム睡眠と徐波睡眠はこれまで、哺乳類のほか鳥類や爬虫類でも報告されていた。研究チームは、今回の結果から、この2タイプが脊椎動物全体に欠かせない睡眠機能を担っている可能性が高いとしている。

 生物は睡眠に多くの時間を割いており、ヒトは一生の約3分の1を眠って過ごす。睡眠の必要性は社会的にも認知されている。

 その一方で、睡眠の全体像には、その起源や進化、ノンレム睡眠の意義など、未解明の謎が多く残されている。今回の成果はこうした謎を解く一つの鍵となりそうだ。

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