終活の経済学

夫婦で考える終活(2)家族葬、一日葬、一般葬、直葬…メリット・デメリットをまとめ (1/3ページ)

タイプごとのメリット把握

 葬儀について考えるとき、子供世代に迷惑をかけたくないばかりに、「自分の葬儀はやらなくていい」という人がいる。しかし、葬儀は見送る側の心の癒やしになっていることを忘れてはならない。ここでは主な葬儀のかたちについて、メリット・デメリットを紹介する。子供世代の考え方も聞いて、夫婦でじっくり検討したい。

 家族葬

 現代の葬儀は、家族と親しい親族や親友らで送る「家族葬」が主流だ。多くの場合、20人以内の参列者で執り行われる。家族葬の定義がはっきりしていないため、きちんとした統計がないが、葬祭関係者の印象では、現在の葬儀のほぼ7割が家族葬ではないかという。

 家族葬はこの10年ほどの間に急速に広まった。その理由はいくつかあるが、最大の要因は超高齢社会の到来だろう。亡くなった方が90代であることは普通になり、高齢のために家族以外の人間関係が希薄になっている。以前からの友人も、同世代であれば必ずしも健康であるとはいえず、葬儀に参列しにくくなっている。それであれば、身内だけで丁寧に見送りたい、という気持ちになるのは必然ともいえる。

 家族葬の増加に伴い、葬儀社も専用の会場を設けており、親しい家族がゆっくりとお別れの時間を過ごすことができるようになっている。たとえば公益社は、棺の上に天蓋を設け、そこからレースのヴェールが故人を包み込む家族葬専用の「ヴェール」を提案。オリジナルの棺「ふわり」は、四方の板が半分の高さのところでパタンと外側に開くようになっており、故人がベッドで休んでいるかのような状態になる。高齢で車いすを利用している参列者も、立ち上がらずに故人と対面できるという。

 家族葬は規模が小さいだけに、費用も大きく減らせるのではないかと思われるが、公益社葬祭研究所主任研究員の安宅秀中さんは「葬儀で費用のかかる祭壇や棺、そして会場費や人件費は百数十人規模の葬儀まででしたら、それほど変わらない。人数が増えると通夜振る舞いや香典返しの費用が増えるが、それは香典でまかなえるので、実は喪家の負担は大きく変わらない」と話す。

 一方、家族葬の問題は、誰を呼ぶのか、という線引きが難しい点だ。いくら身内だけの葬儀とはいえ、あとで喪中はがきなどで故人の死去を知った人から、「きちんとお別れをしたかったのに、なぜ葬儀に呼んでくれなかったのか」と言われることもあるという。また葬祭関係者が見ていて疑問に思うのは、弔問に訪れた人に対して「家族葬ですから」と参列を拒む例。「せっかくお越しくださったのですから、ご焼香ぐらいはしていただいた方がいいのでは、と感じます」

 また家族葬であることがきちんと伝わらないと、訃報を伝え聞いた人が多数弔問に訪れることもある。

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