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安易に降りれば貧困へ 「とりあえずは専業主婦」幻想の恐るべき現実 (1/4ページ)

 パートを含めた広義の専業主婦は労働人口の63%を占め、今も共働き世帯の数を大きく上回ります。『貧困専業主婦』の著者、周燕飛さんは、人手不足や男性の収入の低下などで「専業主婦モデル」の劣勢化が顕著になる中、専業主婦は貧しさの象徴なったと指摘。大規模な調査と取材で、経済的な困窮にあえぎながらも、「専業主婦モデル」に囚われてしまう人々の実態が明らかになってきました--。※本稿は、周 燕飛『貧困専業主婦』(新潮選書)の一部を再編集したものです。

 「専業主婦」モデルが意外にも健在

 「国際的にみると、日本は今でも専業主婦の多い国である」と言われると、驚く読者が多いかもしれません。確かに、日本は以前と比べるとずいぶん共働き世帯が増えている印象があります。筆者自身も、この研究を始める前までは、日本はすでに共働き社会に移行した国だと思っていました。日本の家庭で専業主婦が主流だったのは昔の話で、現在は少数の裕福な家庭に限られていると思い込んでいたのです。

 共働き社会への移行を示す根拠として、しばしば引用されるのが総務省統計局「労働力調査特別調査」です。この調査によれば、専業主婦世帯数は、1997年頃にすでに共働き世帯に逆転されています。2016年時点で、夫が雇用者である世帯に占める専業主婦世帯の割合は37%までに低下し、1980年に比べて28ポイントも下がっています「早わかり グラフで見る長期労働統計」(JILPT 2017、図12 専業主婦世帯と共働き世帯)。

 キャリア主婦は4人に1人しかいない

 しかしながら、これは見方を少し変えれば、「専業主婦」モデルの健在ぶりを示すデータでもあることが分かります。まず、「専業主婦」の定義をもう少し緩く設定してみましょう。日本には、主婦パートとしてある程度の労働復帰をする専業主婦が昔から多く存在しています。彼女たちのメインの活動は家事や育児で、その傍らでパートとして仕事をしています。これら「主に仕事」をしているわけではない妻を「準専業主婦」と定義してみましょう。

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