慢性的な保育士不足も深刻だ。埼玉労働局によると、同市南部地域の7月の保育士の有効求人倍率は5.57倍。同市は常勤保育士の給料に年約19万円上乗せするなどの対策を打ち出し、東北の専門学校などにも担当者を派遣して、保育士の採用拡大を目指す。
353人の待機児童が出た岡山市は今春、認可保育施設61カ所で定員通りの受け入れができなかった。「受け皿を増やしてはいるが、保育士の数が足りていない」(担当者)と悩みは深い。市内で就職する保育士らに対し今年度、奨学金返還を一部補助する制度を始めることにしている。
自治体の間では「ある程度の好条件を提示していかなければ、保育士採用に結びつかない」(関係者)との危機感も根強い。