沖島から

初の民泊「湖心」オープン 住民と旅行者、交流の場に (1/2ページ)

 琵琶湖に浮かぶ沖島(滋賀県近江八幡市)。豊かな自然に囲まれ、古い民家が並ぶ路地の一角に、島で初めてとなる民泊「湖心(ここ)(koko)」がオープンした。人口減少が進む島で、宿泊客に住民と交流してもらうことでの地域活性化が狙い。東京から同市にUターンした男性が管理人を務めており、「島の魅力を知ってもらい、活気を取り戻すきっかけの場所になれば」と期待を込めている。   (清水更沙、花輪理徳)

 味わいのあるふすまに畳…。築40年超の民家のたたずまいを残す湖心には、どこかノスタルジックな雰囲気が漂う。「実家にいるように落ち着けると好評です」。管理人の塚本千翔(ちしょう)さん(27)が語る。

 長年空き家だったが、3年前に地域活性化を目指す沖島町離島振興推進協議会が改修。しばらくは研修施設として利用されていた。

 人口約250人の島には2軒あった民宿のうち、1軒は経営者の高齢化のため営業休止に。島を訪れる観光客は増加傾向で、民宿に比べて手軽に開業できる民泊施設への転用が決まった。沖島に多くの人が訪れるようにとの願いと、湖の中心との意味を込めて「湖心」と島民が命名した。

 東京でサラリーマンをしていた塚本さんは学生のころから大の旅好き。都会の喧噪(けんそう)から離れた離島にひかれ、将来暮らそうと夢を描いていた際、ふと故郷・沖島の存在が浮かんだ。「美しい自然やのどかな光景。理想にぴったりな島があるじゃないか」

 勤め先を辞めて昨夏から沖島に通ううち、同協議会から声がかかり、管理人に就任。5月のオープンにこぎつけた。

     ◇

 湖心は、協議会の運営の下、塚本さんが1人で切り盛りする。予約が入ると、自宅がある対岸から定期船で沖島へ。客を出迎えるために、部屋を整えたり周囲を掃除したりと準備にいそしむ。

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