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あふれ出る果汁…夏の疲れ癒やす梨 (1/2ページ)

 シャリッと一口かじれば果汁があふれ出す。みずみずしい味わいが魅力の梨は、品種ごとに次々と旬を迎えている。豊富な水分に加え、疲労回復に役立つアスパラギン酸などを含み、夏の疲れを癒やすのにぴったりだ。(小林佳恵)

 ◆青梨と赤梨に分類

 梨は中国の辺りから渡来したといわれており、弥生時代後期の登呂遺跡(静岡市)から種子が出土している。日本書紀や万葉集にも登場するなど、古くから日本人に親しまれてきた。

 産地の鳥取県には、梨をテーマにしたミュージアム「鳥取二十世紀梨記念館なしっこ館」がある。梨について学べるだけでなく、食べ比べや期間限定で収穫体験もできる。

 同館参事で梨の栽培を担当している村田謙司さんによると、梨の栽培は手作業が多く、苗木を植えてから少量の実がなるまでは約3年、一定の数量が獲れるようになるまでには約10年かかるという。

 同県で多く栽培されている二十世紀梨は、千葉県の松戸市観光協会によると明治21(1888)年、現在の松戸市で13歳の松戸覚之助さんが苗木を発見したのが始まりとされている。

 老舗のフルーツ専門店「新宿高野」(本店・東京都新宿区)のフルーツコーディネーター、久保直子さんによると、梨はさっぱりして果汁の多い青梨と、果肉が柔らかく甘みの強い赤梨に分けられる。二十世紀は青梨の代表格で、8~9月が収穫の最盛期。10月ごろからは赤梨のにっこり梨や南水などが順次、旬を迎え、冬に食べられる品種もあるという。

 ◆砂糖なしで煮物に

 梨は水分が多いが、疲労回復に役立つアスパラギン酸を含む。また、整腸作用やむくみを軽減する効果のほか、喉の痛みにも効くとされる。

 久保さんによると、梨は“お尻”の方が甘く水分が多いため、軸を下にして保存した方が傷みにくい。室温で保存し、食べる3時間ほど前に冷蔵庫に入れると良い。

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