大家俊夫のヘルスアイ

クラウドクリニック 医療も働き方も「在宅」で変える (1/2ページ)

 ヘルスケア分野は変革期にあり、変革期だからこそ生まれるビジネスがある。新進ベンチャー「クラウドクリニック」(東京都港区)は課題が多く敬遠されがちな在宅医療に目をつけた。クリニックの名称ながら医療行為はしない、在宅医療支援のビジネスモデルを確立した。

 父の介護きっかけに

 社長の川島史子さん(45)は日本政策投資銀行(DBJ)主催のビジネスプランコンペ(2017年)で女性起業大賞(賞金1000万円)を獲得し、一躍有名になった女性経営者だ。順風満帆のように見えるが、「そうでもないんです。たくさん挑戦したからで、DBJも4度目でようやく大賞をいただきました」と川島さんは話す。

 日本福祉大卒、大学病院のソーシャルワーカーなどの経験はあったが、在宅医療とは無縁。起業のきっかけは父の介護だった。

 「父は末期の膵臓(すいぞう)がんで、状態が安定したタイミングでいったん、名古屋市の自宅に帰ってきました。でも再び悪化して、病院に戻り、そこで亡くなりました」

 後になって、在宅でも看取りができる制度があったことを知り、「自宅で最期を迎えられたかもしれない」と悔やんだ。

 無知だった在宅医療について一から学び、課題を整理した。その結果、顧客を在宅医療の医師とし、在宅医療に伴う煩雑な事務作業を代行して医師の負担を軽減するビジネスを考案した。

 クラウド型電子カルテを採用。医師に在宅での診療情報をクラウドに上げてもらい、それを待ち構えている同社のスタッフが診療情報に基づきカルテの下書きを行い、クラウドに保存。医師はカルテの内容を確認、補足して完了させる。

 看護師、薬剤師、介護職などの多職種が関わる在宅医療ではその度に、医師が作成する書類も多く、同社はこれらの作業もバックアップしている。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus