金さんは「日本では外傷の患者が減っているが、ゼロになることはない。どんな症例にも対応できる技術を維持するため、ここで得た経験を広く共有したい」と強調した。7月下旬には後任の医師2人が到着し、今後も2カ月交代で日本から派遣が続く見通しだ。
一方、インドでは日本の119番のような救急搬送の仕組みが整っていない。警察や患者の親族らが病院まで患者を連れてくることが多いため、搬送中の処置が課題となっている。インド人医師が日本を訪れ、ドクターヘリなどの搬送を含めた研修を行うことも検討されている。
センターのラジェシュ・マルホトラ主任は「(センターの)医師にとっても、日本の高度な医療技術を学ぶ機会になる。互いにとって意義深い交流だ」と期待を示す。
日印両政府は、救急だけでなく医療分野全体に協力を拡大していく方針だ。(ニューデリー 共同)