書評

『だれかに話したくなる相撲のはなし』十枝慶二・著

 ■多角的視点と愛に満ちた一冊

 京大相撲部時代に全国国公立大学対抗相撲大会個人戦で2連覇を果たした相撲ライターが、大相撲の発展を願い、それに資する話題を選んで語る29話。

 記録に残る最初の相撲は「女相撲」、横綱土俵入りはなぜ生まれたのか、といった歴史的テーマと、同部屋の力士同士が対戦しないのは不公平か、白鵬の相撲はなぜ荒々しくなるのか、貴乃花親方はなぜ角界を去ることになったのかといった現代的テーマを併せ読めば、神事、スポーツ、興行の要素を持つ大相撲をより深く多角的に楽しめるようになれるだろう。相撲愛に満ちた著作だ。(海竜社、1400円+税)

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