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群島クルーズ、魅力前面に フィリピン、観光振興へ船舶受け入れ強化 (1/2ページ)

 7600以上の島々からなるフィリピンは、クルーズ船による観光振興に力を入れている。観光客誘致に高い効果があるクルーズ船の受け入れ態勢を強化し、低迷する経済のてこ入れを図る。

 アジア周遊の拠点

 今年の経済成長が2011年以来の低水準になる懸念が強まる中、フィリピン政府は観光客誘致を加速している。観光業は昨年の国内総生産(GDP)の12.7%を占め、22年までの目標値であるGDP比10%を上回った。

 当局は目標のさらなる引き上げに向け、一度に大量に観光客を呼び込めるクルーズ船に注目している。これまでインフラ不足などが原因で、クルーズ船客の呼び込みでマレーシアやタイなど近隣諸国に後れを取ってきた。ただ、当局が新港を整備するなど受け入れ環境を改善した結果、状況は変化しつつある。

 現在、政府は主要船旅会社との交渉で、20年からのアジア周遊クルーズの拠点化を目指している。観光省のベニート・ベンゾン観光開発次官は「クルーズ観光には大きな可能性がある」としたうえで、「アジアの近隣諸国には土地の接続性という利点があるが、わが群島はクルーズ観光にとって理想的な環境だ。クルーズの港はフィリピンへのアクセスを改善し、中国や香港、台湾、韓国、日本からの短期クルーズが推進される」と説明した。

 クルーズ船誘致戦略はマニラ、ボラカイ、プエルト・プリンセサに加え、フィリピンの主要島の一つであるルソン島北部の環境整備に注力している。同島北部・南イロコス州のサロマグ港は今月に開港予定で、12月には米大手クルーズ旅行社のロイヤル・カリビアン・クルーズが運航するアジア最大のクルーズ客船「スペクトラム・オブ・ザ・シーズ」が寄港する見通しだ。

 民間企業もクルーズ船の受け入れ態勢を強化している。地場カジノ大手ブルームベリー・リゾーツは21年4月、マニラ初のクルーズ専用港を開港する計画だ。同社のエンリケ・ラソン会長は「マニラだけでなく、フィリピン全体でクルーズの需要は非常に高まっている。マニラのほか、北部1カ所、南部2カ所のクルーズ用施設の建設を検討している」と説明した。

 同じくラソン氏が社長を務める港湾運営最大手のインターナショナル・コンテナ・ターミナル・サービシズは同国中部のイロイロ州の港湾改修に87億ペソ(約185億円)を投資する計画だ。船乗客向けターミナルの建設も検討しているという。

 こうした観光振興策は着実に成果を上げており、観光業は好調を維持している。昨年に同国を訪れた観光客数は720万人、19年は7カ月で485万人に達している。政府は22年までに1200万人の目標を掲げている。

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