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首里城の焼失で観光の影響は 収入面・中長期的な影響どうなる

 31日に火災に見舞われた那覇市の首里城は、年間約280万人の観光客を集めてきた。沖縄県の貴重な観光資源が失われた形だが、県内経済関係者の間では短期的な影響はそれほど多くないとの見方もある。ただ、中長期的な影響に関しては現時点で見通せず、首里城復元作業の公開や、他の観光施設への誘導も課題に上がっている。

 「経済的というよりも、まずは精神的なショックがとにかく大きい」

 沖縄経済同友会の渕辺美紀代表幹事は首里城焼失について、こう語る。「首里城に行けなくなったからといって観光客が減ることは考えにくい。沖縄の魅力は他にもある」とも付け加えた。

 りゅうぎん総合研究所の武田智夫調査研究部長が首里城火災に伴う入場料や土産物販売などでの経済的損失を試算したところ、県の観光収入7330億円の1%にも満たなかったという。

 ただ、沖縄県が平成30年の観光統計実態調査で、観光客に訪れたスポットを聞いたところ、首里城などの世界遺産は2位の41.1%に上った。武田氏は「首里城は、沖縄の伝統や文化が見てすぐ分かるシンボル的な施設だ。それが失われる損失は、中長期的に見れば大きいかもしれない」と指摘する。

 県文化観光スポーツ部の新垣健一部長は「首里城には年間280万人が訪れる。その方々をどこで受け入れるかだ。民間施設の方々も含めて対応を協議したい」と話す。県内には今帰仁城跡や勝連城跡など、首里城とともに世界遺産登録された城跡があり、こうした観光地へいかに誘導していくかが課題だ。

 とはいえ、首里城周辺には飲食店や土産物店が軒を連ねており、こうした業者にとって首里城への客足が鈍れば死活問題となる。那覇市首里真和志町の沖縄そば店「綾城(あやじょう)」は3年前に開店したばかり。店主の土屋理恵子さん「お客さんは観光客がほとんど。首里城が閉まれば死活問題だ」と話す。

 首里城でも、守礼門など正殿復元前に観光客を集めた施設は焼失を免れている。前出の武田氏は「引き続き首里城を観光地として発信していくべきだ。正殿などの復元作業を見学できるようにすれば、一定の観光客を集めることはできるのではないか」と話す。

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