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ラグビーW杯、警備は成功も「天候リスク」露呈 東京五輪への課題に

 ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会は2日、南アフリカが優勝して閉幕した。大会全体を通して警備面で目立った混乱は見られなかったが、台風の影響でW杯史上初めて試合が中止に。来年の東京五輪・パラリンピックに向け、「天候リスク」という課題が浮き彫りになった。

 今大会、警察庁は試合会場がある12都道府県で最大時、計約9100人の警察官を配置した。開幕戦などの会場となった東京・味の素スタジアムを受け持った警視庁は、約1700人を投入。同スタジアムは来年の五輪の競技会場でもあり、高性能カメラによる監視のほか、テロ対策に当たる機動隊の緊急時初動対応部隊(ERT)や爆発物処理班を近くで待機させた。

 国土交通省も開幕1週間前から国内全ての空港で、国内線でも乗客に上着を脱いでもらいエックス線検査をするなど、保安検査を強化。警備関係者は「(ラグビーW杯警備)は五輪警備の試金石という意味合いもあったが、大きな混乱はなく、おおむね成功といえるのでは」と振り返る。

 一方、甚大な被害が出た台風19号の影響で、W杯史上初めて1次リーグの3試合が中止されたことは、五輪への“宿題”となった。国際オリンピック委員会(IOC)の五輪憲章では競技実施期間を「16日間を超えてはならない」と定め、期間延長は想定していないが、今回のような事態が起きたらどうするのか。

 東京五輪・パラリンピック組織委員会は、大雨などの災害対策として全会場で「危機対応計画」をまとめるが、延期・中止をめぐる判断を含めて、W杯から得る教訓は大きい。

 また、W杯では大型ビジョンで試合が観戦できるファンゾーンの一部で「ビジョンの数が少なく、画面が小さい」との声も聞かれた。五輪でも試合中継などを楽しめる「ライブサイト」が開設されるが、こうした課題を五輪に生かせるかも成功の鍵となる。

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