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首里城の火災から初めての連休 客足衰えぬも観光バスは激減

 首里城(那覇市)が火災で焼失してから初めての連休を迎え、火災現場や、焼失を免れた「守礼門」を見ようと多くの県民や観光客が現地を訪れた。周辺の飲食店や土産物店も現在のところ、客足が大きく鈍っているとはいえない。だが、訪れた観光客はもともと首里城観光を予定していた人が多く、長期的な影響を懸念する声は根強い。

 首里城の焼失跡を写真に収めていたのは、タイ・バンコクの銀行員、パチャラポーンさん(37)。2日に首里城で予定されていた伝統芸能「組踊」の公演に合わせて同日に沖縄に到着した。公演は火災のため中止されたが、パチャラポーンさんは「火事のニュースを聞き、だからこそ、ここに来なければならないと思った」と語った。

 カナダ・モントリオールの会社員、サイモン・ジョンソンさん(27)はビーチリゾートを目的に沖縄を訪れていたが、首里城火災のニュースを耳にして足を運んだ。「非常に残念だ。首里城は沖縄の人にとってとても大切な場所だと聞いている」と話した。

 公園内の守礼門や歓会門などでも、多くの観光客が記念撮影を行っていた。初めて沖縄を訪れたという東京都世田谷区の会社員、赤木芳雄さん(60)は「首里城で世界遺産に選ばれたのは、建物ではなく、土台や戦災を免れた石垣など城跡の部分だと聞いている。火災があっても世界遺産としての価値は損なわれるものではない」と話した。

 首里城近くの化粧品店「アルソア城」の野原ゆき江さん(58)は、火災以降、首里城周辺の交通量はむしろ増えたと感じている。「レンタカーばかりじゃなく、県内の人も多い。うちなんちゅ(沖縄人)は実際に見ないと首里城が焼け落ちたことが信じられないんだろうね」と推測する。

 ただ、首里城周辺では大型観光バスの往来がめっきり減った。火災前は修学旅行生やクルーズ船の客を乗せた観光バスがひっきりなしに行き来していたが、火災後に通行するのは普通乗用車がほとんどだ。

 首里城に隣接する沖縄そば店「あしびうなぁ」の店長、知念浩司さん(36)によると、同店の客足は通常通りだという。ただ、すでに団体客のキャンセルが2件あり、「台風でのキャンセルはよくあるが、火災の影響もこれから出てくると思う」と表情を曇らせた。

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