教育・子育て

スウェーデンでは採用に有利 男性公務員の育休1カ月は日本の男を変えるか (1/3ページ)

 男性国家公務員への育児休業取得の促進について、大きな話題になっています。この取り組みは民間にも波及し日本男性の育児へのかかわり方は変わるのでしょうか。“育休先進国”スウェーデンのこれまでの経緯と現状から、日本が進むべき道を考えます。

 挑戦的な目標設定

 先日、安倍首相が、男性の国家公務員による育児休業の取得を促進する制度の検討を大臣に指示したというニュースが流れました。1カ月以上の取得を原則とするとのこと、世間では賛否両論かまびすしいようです。

 厚生労働省の『平成30年度雇用均等基本調査』によると、男性の育児休業取得者の割合は平成24年度の1.89%から年々上昇を続け、平成30年度には6.16%に達しています。ただし期間別の内訳を見ると、7割超が2週間未満であり、そのうち半数以上は5日未満しか取得していません。国家公務員に限って言えば、男性の取得率は12.4%と民間よりもはるかに上ですが、それにしても、この割合を100%にして、かつ全員が1カ月以上を取得するというのは、なかなか挑戦的な目標設定だと思います。

 男性が育休3カ月取得するようになった理由

 男性の育児休業といえば、厚生労働省が実施している「イクメンプロジェクト」からお声がけをいただき、昨年の北欧研修の際に、私のゼミの学生たちが、現地の「イクメン」たちの調査を行いました(「北欧イクメン調査inスウェーデン」)。

 ちなみにスウェーデンには、「取得者の割合」としての取得率のデータは見当たりませんでしたが、これは男女を問わず育児休業を取得しない人がいないためのようです。取得期間については、まずスウェーデンの男性は、パートナーの出産後2週間は必ず休むものとされており、これは「育児休業」ともみなされていません(もちろんこの間も育児休業給付と同水準の手当が支給されます)。そして統計によれば、その最初の2週間を除いても、男性は子どもが1歳半になるまでの時期に、平均して60日(週5日勤務として12週間=約3カ月)の育児休業を取得しています。

 ただし、スウェーデンでこのように多くの男性が育児休業を取得するようになったのは、そう昔のことではありません。スウェーデンでは現在、子どもに対して育児休業日数が付与され、その日数を父母で分け合うという形になっていますが、1995年に法律が改正され、父親も30日間取得しないと全ての日数を取得できないようにするまでは、母親が大部分を取得するというケースがほとんどでした。

 逆に言うと、この1995年の改正という政治のイニシアティブによって、父親の育児休業取得が進んでいったわけで、その意味では、今回のように、安倍首相が音頭を取って進めようとするやり方は、あながち間違いではないと思います。

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