大学発 日本 人と技術

日本を支える研究活動と技術開発

 延焼防止する「高粘度液体」用いた消防技術を共同開発

 ≪工学院大学≫

 茅葺屋根など伝統的建造物の延焼防止と燃焼抑制効果を持つ「高粘度液体」を用いた消防技術を能美防災と共同で開発した。

 文化財などの火災拡大や延焼を防止するのが狙いで、この技術を利用した装置を横浜市が管理する金沢八景権現山公園(横浜市金沢区)にある旧円通寺客殿に寄贈する予定。消防庁「消防防災科学技術研究推進制度」による研究成果の一つで、実験については東京理科大学の協力(松山賢教授および火災安全科学研究拠点の施設利用)を得ている。

 高効率で強塩基発生 非イオン型光塩基発生剤

 ≪東京理科大学理≫

 工学部の有光晃二教授らの研究チームは、アウトガスの発生を伴わず、高効率で強塩基を発生する非イオン型の光塩基発生剤を世界で初めて開発した。

 現在実用化されているUV硬化剤は、金属を腐食させるといった問題点があり、その欠点を補うアニオン効果UV硬化系には、強塩基を発生するイオン型の光塩基発生剤を用いた際、エポキシ樹脂などの塩基反応性樹脂と混同した組成物のポットライフが短いという課題があった。今回、開発した非イオン型の光塩基発生剤は、エポキシ樹脂やアルコキシシランを用いたアニオンUV硬化を高効率で進行させることが確認された。

 さらに、この光塩基発生剤を含む塩基反応性樹脂組成物のポットライフは、イオン型の光塩基発生剤を用いた系に比べて大幅に向上。これにより光塩基発生剤を用いたUV硬化材料の実用化が加速し、接着剤や封止剤、インキなど幅広い分野に利用が期待されている。

 自動運転実験車を「交通安全・環境フェア」出展

 ≪埼玉工業大学≫

 埼玉県トラック協会が埼玉スタジアムで開いた県内最大級の交通安全体験イベント「2019交通安全・環境フェア~生活を支える働く自動車~」に開発中の自動運転実験車「SAIKOカー」を出展、次世代自動運転車として来場者に紹介した。

 会場では家族連れが多く、話題の自動運転車の車体を見学したり、搭載されているライダーやカメラから収集した情報をAI(人工知能)でリアルタイムに解析した結果を表示するデモを見て、自動運転技術の理解を深めていた。

 車の廃熱を電気に変換可能な新素材を開発

 ≪東京都市大学≫

 工学部機械工学科の丸山恵史講師は、温度差を利用して発電できる熱電材料に使用可能な新素材を開発した。今回開発した新素材は炭化ホウ素を用いて、従来より300度低温で合成できるもの。原料粉末に重量比で10~15%の金属を混ぜることにより、焼結温度を約1700度まで下げると同時に、電気伝導度を約1.5倍向上させることに成功した。実用化されている熱電材料より軽量で硬いという性質も備えていることから、今後、自動車エンジンをはじめ、工場の熱機関等にも適用範囲の拡大が期待される。

 ホウ素系材料は、実験室レベルでは高い熱電性能を有することが確認されているが、脆くて焼き固まりにくいという特性があるため、従来の製法で実用的なサイズの部材を作製するには2000度近い高温で焼き固める必要があった。

 ヒト型レスキューロボットコンテスト2019開く

 ≪大阪電気通信大学≫

 震災時の救助活動をテーマに、ヒト型ロボットが障害物をクリアして要救助者に見立てた人形を救出する競技「ヒト型レスキューロボットコンテスト2019」を開催した。

 これは2000年から毎年開かれている「レスキューロボットコンテスト」の新たな展開を目指し、ヒト型ロボット1台と操縦者1人で参加できるロボット競技。競技を通じてモノづくりの楽しさを伝えると同時に、防災や減災の重要性について考える機会を提供している。

 大会には学生から社会人まで17人が参加。同大からは4人の学生が参加し、日ごろの研究の成果を生かした自作のロボットで本番に挑んだ。審査の結果、同大自由工房の千谷玲央さん(総合情報学部情報学科1年生・ロボット名メカカニ)が目視部門で3位に入賞、小田智史さん(工学部電子機械工学科1年生・ロボット名erst)は技術賞に輝いた。

 初出場の水中ロボフェスタで優勝果たす

 ≪広島工業大学≫

 工学部知能機械工学科の安鍾賢助教の研究室が開発・製作した水中ロボットが、北九州市で開かれた「第7回水中ロボットフェスティバル2019」に初出場し、AUV(自律型無人潜水機)部門で優勝した。競技はスポーツセンターのプールで行われ、東大、東工大、九州工大といった強豪6チームが参戦した。広島工大の水中ロボ「HIT-AUV」はカメラやセンサー、4個のスクリューを備えて前後・左右・回転・上下の動きを自動制御。プール内の自律潜航でゲートくぐり、水中ブイへのタッチ、台座への着地などの課題を制限時間内に次々とクリアしていった。安助教とゼミ生3人が8月から約1カ月かけて製作した「HIT-AUV」は、予選を2位で通過。4チームで争った決勝トーナメントで九州職業能力開発大学校を小差で破り初優勝した。安助教らは瀬戸内海の海中探査ロボットの開発を目標にしている。

 塗るだけでプラスチックの不燃化も可能に

 ≪金沢工業大学≫

 バイオ・化学部応用化学科の露本伊佐男教授の研究室は、ホウ酸ナトリウムを高濃度に含有した水溶液を簡単な方法で製造する技術を開発、特許を取得した。厚さ15ミリ以上のスギ(無垢材、集成材)にホウ酸ナトリウムを加圧含浸することで不燃化できるため、露本教授の特許技術は社会実装が急速に進展。省エネ住宅で断熱材として使われている硬質ポリウレタンフォームや農業用シートなどさまざまな需要があるポリプロピレン不織布なども、デンプンを加えたホウ酸ナトリウム水溶液を塗るだけで難燃化ができるため、今後の需要拡大が期待されている。

 加賀木材(本社・金沢市)は、露本教授の特許技術を使った不燃木材を「もえんげん(R)」という名称で製造、販売。金沢駅金沢港口シェルターや駅構内の店舗など県内外のさまざまな施設に導入している。

【ガイド】

 工学院大学 E-mail:gakuen_koho@sc.kogakuin.ac.jp

 芝浦工業大学 E-mail:koho@ow.shibaura-it.ac.jp

 千葉工業大学 E-mail:cit@it-chiba.ac.jp

 東京電機大学 E-mail:keiei@jim.dendai.ac.jp

 東京理科大学 E-mail:koho@admin.tus.ac.jp

 東京都市大学 E-mail:toshidai-pr@tcu.ac.jp

 大阪工業大学 E-mail:kikakuka@ofc.oit.ac.jp

 大阪電気通信大学 E-mail:kouhou@mc2.osakac.ac.jp

 金沢工業大学 E-mail:koho@kanazawa-it.ac.jp

 豊田工業大学 E-mail:s-koho@toyota-ti.ac.jp

 広島工業大学 E-mail:kouhou@it-hiroshima.ac.jp

 愛知工業大学 E-mail:d-koho@aitech.ac.jp

 埼玉工業大学 E-mail:kikaku@sit.ac.jp

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