ヘルスケア

ブタの体内で人のiPS膵臓 明大、国に研究計画申請

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使い、ブタの体内で人の膵臓(すいぞう)を作る国内初の基礎研究計画について、明治大の長嶋比呂志教授らの研究チームが文部科学省に計画の実施を申請したことが3日、分かった。今年度中の実施を目標としており、将来は慢性的な臓器不足が続く移植医療への貢献を目指す。

 チームは今年7月、学内の倫理委員会に計画の実施を申請。11月1日に承認され、同月29日に文科省の作業部会に申請した。部会は年内にも審査を開始する。

 計画によると、膵臓ができないように遺伝子を改変したブタの受精卵に、人のiPS細胞を入れ「動物性集合胚」を作製。ブタの子宮に戻して胎児に成長させ、人の膵臓のもとになる器官ができるかなどを確認する。

 受精卵は細胞分裂が始まった時期のものを使うため胎児はブタで、人との中間種や、高い知能の個体は生まれない。将来は、ブタの体内で作った人の膵臓を、血糖値を下げるインスリンが膵臓から分泌されなくなる1型糖尿病などの患者に移植し、治療に役立てることも視野に入れている。

 国は動物性集合胚を子宮に戻し動物を誕生させる研究を禁じてきたが、今年3月に解禁した。これを受け東京大のチームは、人のiPS細胞を使いマウスやラットの体内で膵臓を作る研究計画を国に申請し、7月に承認された。ブタはマウスなどより臓器の大きさが人に近く、移植医療に応用しやすい利点がある。

 重い膵臓病の治療には臓器移植が有効だが、提供者が不足しており、動物の体の仕組みを使って作った臓器を移植する再生医療に注目が集まっている。長嶋教授は「今回の方法が、移植用臓器を動物の体内で作る上で適切かどうか慎重に確認したい」と話している。

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