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(中)「気づき」可視化し共有 ベテランの職人技を新人に (1/2ページ)

 どうして、あの人のケアは、うまくいくのか-。そんな現場の疑問に応えて、ベテラン介護職の“気づき”を可視化し、ケアを共有する試みが始まっている。利用者1人1人に合うケアを根拠にもとづいて提供できれば、介護職のやりがいも増す。離職率の改善にもなると期待されている。

 ■気づきを可視化する

 鳥取県米子市の特別養護老人ホーム「よなご幸朋苑(こうほうえん)」のリビング。入所しているタカコさん=仮名=が洗濯物をたたんでいると、介護福祉士の上田紀行さん(39)が雑誌を手にやってきた。

 いつになくおしゃべりなタカコさんとの会話が一段落すると、上田さんはスマホに口を寄せて、つぶやいた。「タカコさん、いい表情です。雑誌が気に入ったのかもしれません」

 スタッフが、ケアの過程で気づいたことを音声で入力したり、本人の表情やしぐさ、声などを「とても良い」「悪い」などの5段階評価で入力したりする。

 蓄積されたデータは、スタッフごとの気づきや、利用者が受けたケアがグラフになってフィードバックされる。それを見ながら、チームでケアを振り返り、改善したり、まねしたりできるわけだ。

 上田さんは「以前は個々の経験やカンで動いていたが、根拠をもとに話し合えるようになった。良いケアを再現できる」と言う。

 このシステム「MIMOTE」を開発したのは、慶応大学環境情報学部の神成(しんじょう)淳司教授。「高齢者にはそれまでの長い人生があり、望む生活も希望も人によって異なる。それをきちんと見るのが介護。声かけも人によって違うから、色々な人が気づきを共有することが大切」と言う。

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