教育・子育て

小泉進次郎氏が育休を取得したら、日本社会にどんな影響を及ぼすのか (3/3ページ)

 筆者は2005年春、小泉氏の父である小泉純一郎元首相の番記者を皮切りに、政治記者としてのキャリアをスタートさせた。日本中が熱狂した同年夏の郵政選挙では、遊説で国内を駆け回る純一郎氏の一挙手一投足を身近で追い掛け、新幹線の駅ホームで会った子連れの親子によく手を振っていた姿を思い出す。

 常に世論の動向を気にし、劇場型政治を築き上げた純一郎氏。小泉氏は、育休を取得したとしても「(週2回の)閣議や国会に出ないことはありません」との考えを漏らしているという。ならば、閣議後の記者会見で多くのテレビカメラを前に、育休中の様子、かけがえのない子育てを通じて新たに見えてきたもの、芽生えた感情を言葉巧みに積極的に国民向けに発信し、大いに世論を喚起してもらいたい。

 以前の記事「なぜ世界はそこまで男の育休を認めないか」で書いたが、私自身1年間の育児休業取得歴がある。政治記者として、育休経験がある父親として、小泉氏には是非、躊躇することなく、勇気を持って一歩を踏み出し、少子化の歯止めがかからない日本社会の変革に向け、大きなインパクトを与えることを期待する。

 小西 一禎(こにし・かずよし)

 米国在住・駐夫 コロンビア大大学院客員研究員 共同通信社政治部記者

 1972年生まれ。7歳の長女、5歳の長男の父。埼玉県出身。2017年12月、妻の転勤に伴い、家族全員で米国・ニュージャージー州に転居。96年慶應義塾大学商学部卒業後、共同通信社入社。3カ所の地方勤務を経て、05年より東京本社政治部記者。小泉純一郎元首相の番記者を皮切りに、首相官邸や自民党、外務省、国会などを担当。15年、米国政府が招聘する「インターナショナル・ビジター・リーダーシップ・プログラム」(IVLP)に参加。会社の「配偶者海外転勤同行休職制度」を男子として初めて活用し休職、現在主夫。米・コロンビア大学大学院東アジア研究所客員研究員。研究テーマは「米国におけるキャリア形成の多様性」。ブログでは、駐妻をもじって、駐夫(ちゅうおっと)と名乗る。

 (米国在住・駐夫 コロンビア大大学院客員研究員 共同通信社政治部記者 小西 一禎 写真=時事通信フォト)(PRESIDENT Online)

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