ヘルスケア

「患者集団」=クラスターの遮断、正念場 カギ握る1~2週間に

 新型コロナウイルスをめぐり、25日に政府が決定した感染拡大防止の基本方針。患者集団(クラスター)の連鎖を断ち切るため、企業活動やイベント、患者の受診行動などで自治体などに具体策を求めているが、どこまで適切な行動を促せるかは不透明だ。感染が終息に転じるか、さらに拡大するかは今後1~2週間の国民の行動が鍵を握るとみられ、対策は正念場を迎えている。

 「感染を早期に終息させられるかどうかは、まさに今この時期の感染防止対策にかかっている」。基本方針決定を受け、25日に記者会見に臨んだ加藤勝信厚労相の表情は険しかった。

 感染源不明の事例が各地で相次ぎ、対策が混迷を極める中、厚労省が注目したのは、一定のつながりが見えるクラスターの存在だった。基本方針は、こうした集団から次の集団への感染の連鎖を断ち切ることを患者抑制策の柱に据えた。

 具体的には、テレワークや時差出勤の推進▽患者の濃厚接触者に外出自粛を要請▽クラスターに関する施設の休業・イベントの自粛を要請▽高齢者施設や公共交通機関、道の駅、多数の人が集まる施設の感染対策の徹底-などを挙げる。

 感染の連鎖はすでに表面化。東京都では屋形船で開かれた新年会の参加者周辺、院内感染が疑われる和歌山県では医師や患者らに広がりが見られる。厚労省はクラスター発生地域の支援強化に乗り出す方針で、感染者が30人を超えている北海道には、知事の要請で国立感染症研究所から複数の専門家が派遣された。

 「感染が広がる兆しがあるところに必要な対応を集中的に行っていく。感染を全国に広げないために重要なことだ」と厚労省の担当者。濃厚接触者の調査などで連携を図り、感染の封じ込めを図りたい意向だ。

 自治体ごとに感染者数に偏りがあり、実際は対応に濃淡もみられる。

 国に先行し、主催イベントのうち屋内で500人以上が集まる大規模なものや、食事を提供するものは原則中止か延期とする具体的な方針を決めている東京都。福祉保健局の担当者は「すでに自治体の枠を超えて感染が広がっており、国や他の自治体とも連携して拡大を防いでいきたい」と話す。

 現時点で感染者が確認されていない青森県の感染症対策担当者は「海を挟んだ北海道で感染が拡大しており、ひとごとではない。北海道だけでなく、感染者が多い関東から広がってくる可能性も見据えながら、対策を取っていく必要がある」と静観している。

 同様に感染者が出ていない秋田県では、新型インフルエンザを想定した過去の計画に沿って準備。担当者は「新型ウイルスはワクチンや治療薬、簡易検査キットがなく、計画通りにいくかは不透明。状況に応じて対応を修正していく」と述べた。

 一方、和歌山県の仁坂吉伸知事は、感染者が相次いだ済生会有田病院の対応を例に挙げ「政府は基本方針でクラスターという言葉を使っているが、われわれの対応はまさにそれだった。今のところ、現地での封じ込めには成功しているといえる」との見解を示した。

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