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コスプレやSNSで普及活動…女流棋士、香川愛生さんの圧倒的「将棋愛」 (1/2ページ)

 盛り上がりが続く将棋ブーム。女流棋士の世界も刻一刻と変化しており、熱い。昨年には、女流棋士をテーマにした漫画「永世乙女の戦い方」(くずしろ著、小学館)の連載が始まった。監修は女流棋士の香川愛生(まなお)女流三段(26)。女流棋士としての活動の一方、SNSやユーチューブなどを通じ、新たな普及活動にも力を入れる香川さん。勝負の世界に生きる女流棋士たちの戦いを描いた同作の特色や、情報発信の狙いなどを尋ねた。(文化部 本間英士)

 かわいさ×激しさ

 香川さんは平成25年、女流棋士のタイトルの一つ「女流王将」を獲得。将棋界を担う一人として、将棋の普及に力を入れたい気持ちが強くなったという。

 「私の趣味はゲームやアニメなどのポップカルチャー。自分の好きなことを通じて、若い世代にも将棋の魅力を知ってもらえれば-と意識しています。その中で、今回は漫画に関わる機会をいただけた。ぜひ挑戦したい、と思いました」

 「永世乙女の戦い方」は昨年春から漫画誌「ビッグコミックスペリオール」で連載開始。主人公は、女流棋士の頂点を目指す高校生、早乙女香。静かな対局場の盤上で、バチバチの死闘を繰り広げる女流棋士たちの姿が描かれる。2月下旬には最新2巻が刊行された。

 「3月のライオン」をはじめ、将棋をテーマにした漫画は少なくない。ただし、大多数は男性棋士の戦いが主。一方、今作は女流棋士の戦いに焦点を絞る。

 「ここまで女流棋士が多く登場する作品は少なかった。将棋漫画史の中でも鮮烈な作品だと思います」

 特色は意外なほどの「激しさ」だ。日常生活の場面では、年相応のかわいい面を見せる香たち。だが、対局中は一変する。

 〈将棋棋士は、負けると死ぬ。たかだか将棋に負けたくらいでどうしようもなくなる〉

 〈いっそ鈍器で殴って瞬殺してくれればいいのに〉

 女流棋士の心情が、赤裸々なまでに描かれている。

 監修の仕事は多岐にわたる。まずは、作者のくずしろさんからの取材対応。対局の内容や棋風、「棋士の生きざま」と表現する棋譜作成などを行う。作中の公式戦で使われるコマの書体など、細かい点にもこだわる。「棋士」と「女流棋士」の違いや、各タイトル戦などの解説も多く、女流棋士の世界を理解するうえでの“入門書”にもなりそうだ。

 「棋士自体は江戸時代からいますが、女流棋士は(昭和49年の創設から)まだ50年もたっていない“新しい職業”なんです。(漫画監修の立場に)プレッシャーも感じますが、作品を通じて将棋の魅力や、私たちが将棋にかける魂みたいなものを感じていただければうれしいです」

 今、将棋界で注目されているのが、3月7日に予定されている棋士養成機関「奨励会」三段リーグの動向だ。今期30人のうち、四段になれるのは原則上位2人のみ。“地獄のリーグ”ともいわれ、棋士になるうえでの最後の難関であるこのリーグ戦を、現在3位の西山朋佳三段(24)=女王・女流王座・女流王将=が突破する可能性がある。もし突破すれば、女性初のプロ棋士となる。

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