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アンコウ、カレイ…鮮度と味に自信 福島の漁業応援 本格操業へ需要拡大

 ■イトーヨーカ堂アリオ葛西店、15日までフェア

 魚食の活性化に取り組んでいる「SAKANA&JAPAN PROJECT」(推進協議会・産経新聞社など)と大手スーパー、イトーヨーカ堂は、福島県産の鮮魚を販売するフェアをアリオ葛西店(東京都江戸川区)で13~15日に行う。昨年に続く実施。東日本大震災から9年が経過したものの、原発事故の影響でなお厳しい状況が続いている同県の漁業・水産業の復興を応援するのが目的。「常磐(じょうばん)もの」と呼ばれる同県沖で漁獲されたアンコウやカレイ、メヒカリなどを取りそろえる。

 「徐々にだが、東京からの引き合いも増えてきている。『常磐もの』は、餌が豊富なため脂ののりがよく、うま味が濃いうえ、魚種が豊富。おいしさを知ってもらうことが、本格的な操業の再開につながっていく」

 福島県相馬市の相馬原釜地方卸売市場の仲卸業者で、フェアの鮮魚を仕入れた飯塚商店の代表、飯塚哲生さんは、「常磐もの」の魅力をこう語る。

 黒潮と親潮がぶつかる同県から茨城県の沖合は日本有数の漁場で、この海域で取れる魚介類は「常磐もの」と呼ばれ、市場で高く評価されてきた。しかし、震災と原発事故から9年がたった現在も、沿岸漁業は限定的な試験操業にとどまっている。

 安全性確保のため、県による放射性物質のモニタリング検査に加え、各漁港で、その日に水揚げされたすべての魚種を対象としたスクリーニング検査も実施されている。震災後、43魚種で出荷制限が行われていたが、徐々に解除され、先月25日には最後の1魚種が基準をクリアし、全魚種の出荷が可能になった。

 試験操業で漁獲が制限されてきたため、資源が回復し大型の魚が水揚げされているという。漁場が首都圏から近く鮮度も良い。

 「福島県産だからと敬遠される風評はなくなってきた。首都圏など消費地で需要が増えれば漁獲を増やせる。漁獲が増えれば、販売機会も増え、需要がさらに増える。こうした好循環が生まれるようにしたい」

 フェアの鮮魚を出荷した豊洲市場(都中央卸売市場)の卸売業者、築地魚市場の販売促進室長、山縣伸悦さんは、力を込める。

 フェアでは、鍋料理にピッタリのアンコウの切り身と肝をセットにしたパックのほか、唐揚げや煮付けが合うカレイ、天ぷらや唐揚げで食べたいメヒカリなどを販売する。

 飯塚さんは「アンコウは身がプリプリで、カレイは身が厚く、メヒカリはフワフワ。おいしさでは、どの産地にも負けない自信がある」と胸を張った。

 イトーヨーカ堂鮮魚部の鮮魚担当デストリビューター、佐藤直樹さんは「おいしくて鮮度の良いものならお客さんは購入してくれる。こうした販売機会を増やしていくことで、復興に貢献していきたい」と話している。

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