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避難所へ行くニーズは? 増えるペット同伴者と災害対策に求められる変化 (1/2ページ)

 避難後の「安心」にも配慮を

 各地に大きな被害をもたらした昨年10月の台風19号では、ペット同行者が避難所の入所を拒否されるといった課題が浮上した一方、1万人以上の避難者が県境を越えより安全な広域避難を行うなど、今後の参考になりうる事例もあった。国内外の避難対策の事例から、避難のあり方について考える。(北村理)

 京都大防災研究所の矢守克也教授は、これまでの避難対策について「役所が避難情報や指示を一方的に住民に与え、避難所に押し出すことのみに注力してきた」と説明する。これでは避難所へ行くニーズを見いだせない住民は避難しない。

 現在、日本では高齢化が進み、ペットを飼う住民が増えるなどライフスタイルが多様化している。矢守教授は、「役所は、避難所を多様な住民のニーズを的確にくみ取れる安心できる場所にするよう努力しなければならない」と主張する。

 台風19号が接近・上陸した際、長野県や東京都などに開設された避難所では、ペット同行者が入所を拒否されたケースがあった。

 一方、一昨年の西日本豪雨では、被災地となった岡山県総社市が市役所を開放し、ペット同行避難者を受け入れた。片岡聡一市長は「ペット愛好家は人口の2割に及ぶ。避難率を上げるためには何が必要か行政は工夫しなければならない」という。同市は平成28年の熊本地震で被災地の支援を行った際、車中泊していた避難者らを世帯ごとにテントに収容し、医療ケアや清潔なトイレを提供するなどしたことでも注目を集めている。

 「中南米キューバの避難所では高齢者や女性、子供らのための医療者のほか、ペットのための獣医師を待機させている」と話すのは及川康・東洋大教授。ハリケーン常襲地帯である同国では毎回数十万人が避難を余儀なくされる。「それだけの避難を実施するためには安全のみならず、生活が滞らない安心も保障される必要がある」。家畜も避難の対象で避難完了地域では防犯の見回りも行われる。

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