ヘルスケア

国内外で「手洗い動画」世界に拡散 キング・カズも登場 (2/2ページ)

 大手前大の谷村要准教授(情報社会学)は手洗い励行のメッセージが動画で広まっている現象について「動画配信サイトは動きを伝えるのには最適なメディア。手洗いのまねのしやすさが動画の拡散につながったのではないか。多くの人とつながっている感覚も得られる」と指摘する。

 森田知事も配信

 日本でも自治体を中心にコロナ啓発動画が数多くアップされている。東京都、神奈川県、奈良市などに加え、千葉県は3月5日、ユーチューブに森田健作知事と県のマスコットキャラクター、チーバくんが登場する啓発動画をアップした。

 手を濡らすところから始まり、せっけんを手のひら、手の甲に広げて指先や爪まで丁寧に洗っていく映像とともに、森田知事がゆっくりと聞き取りやすい動作説明のナレーションを乗せている。

 歌は流れない。派手さはないが正確な手順が身につく仕組みだ。

 ただ、再生回数は約2千回にとどまっている。アジア発の動画に比べ、日本発の動画はそれほど話題になっていない理由について谷村准教授は「1月末には国内初感染者が出ていた。世間の空気として、再生回数が上がりそうなポップな動画を作りづらかった可能性がある」と推測する。

 それでは、コロナ感染の終息が見えない中、今後どのような手洗い動画が人々に訴えかけ、行動を促すことができるだろうか。

 谷村准教授は、サッカーJリーグ1部(J1)横浜FCが写真共有アプリのインスタグラムに投稿したカズこと三浦知良(かずよし)選手らの感染予防動画を評価する。

 三浦選手がバスローブのくつろいだ姿で、手洗いにかける時間としてちょうどいいとされるハッピーバースデーを歌いながら手を洗っている。

 「非常時だという空気でストレスがたまる今、日常的な楽しさ、生活感のある動画が一つの実践例になるかもしれない」と話した。

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