ヘルスケア

コロナ対策でプール離れを食い止めろ 元競泳選手が透明マスク開発

 プール指導の風景が変わるかもしれない。新型コロナウイルスの感染拡大で、全国のスイミングスクールも臨時休館に追い込まれている中、安心して授業が再開できるようにと、元競泳選手の起業家がプール内で使用する水泳指導者向けの透明マスクを開発、商品化した。

 同マスクは、顎の下から空気が入る形状のビニール素材で、水にぬれても呼吸ができる。プール内で声を出す指導中に、口鼻から前方に出る飛(ひ)沫(まつ)を100パーセントカットし、口元の表情がはっきり見えるのも特徴だ。

 開発したのは、男子200メートル自由形で五輪代表選考会に出場した経歴がある水泳関連のイベント企画会社「Rockin’Pool」代表の西川隼矢(じゅんや)氏(37)。「人と笑顔をもっとプールに集める」が企業理念で、水中カメラマンや水中VR(仮想現実)体験などを企画したりしている。そんな中、コロナの影響で、スイミングスクールから退会者や休会者が続出している現状を耳にし、「プールを存続させるため」、マスク制作に乗り出した。

 4月12日に試作品が出来上がり、SNSでモニターを募集をしたところ、「今すぐほしい」と反響があった。山口県内の施設で会員約300人を受け持つ水泳インストラクターの福村紅子さん(42)も手を挙げた一人。福村さんは自身が指導者であると同時に、小学2年の息子をスイミングスクールに通わせていることもあり、実際にコーチとの距離感に不安を感じていたという。

 現在、施設は休館となっているため、届いた透明マスクは自宅の風呂で試着。現場を想定して声を出したり、鼻からブクブクと息を吐く練習をしたところ、「全く問題はない。キャップとゴーグルの上からでも付け心地は悪くなく、何より相手や親御さんに安心感を与えられる」と好感を持った。

 その間にも西川さんの元には次々と問い合わせが入り、4月中旬には約350枚を受注。急ピッチでマスク工場と契約し、大型連休明けには全国へ約500枚納品できる準備が整った。その後も月2000枚のペースで供給できる見通しだ。

 商品名は「プールマスクマン」。1セット10枚、2万9800円(税別)で販売する。子供たちが覚えやすいように、コロナウイルスという悪者を撃退するキャラクターも考案し、マスク購入者には、プール内でのコロナ対策が一目で分かるポスターも送付する。

 西川さんは「今後、水泳の授業が再開できたとしても、従来の常識が変わっている可能性がある」とした上で、「さらにあらゆる対策を考え、実践していかなければ、生き残れない施設も出てくるのでは」と危惧している。(運動部 西沢綾里)

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