ヘルスケア

感染確認わずかでも市中に多くの陽性 「実効再生産数」で拡大判明

 新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、国内では日々の感染確認が数人にとどまり、急増が把握できていない段階でも、市中には多くの感染者が存在し、1人の感染者が平均何人にうつしたかを示す指標「実効再生産数」がピークになっていたとみられることが7日、分かった。流行の第2波で感染者数を抑制するには、検査体制を拡充し、陽性者を早期に把握することが重要になる。

 東京歯科大学市川総合病院呼吸器内科の寺嶋毅教授による千葉県内の感染状況の分析で判明した。寺嶋氏は千葉県が公表した3月以降の5月20日までの約790症例のうち、集団感染の事例を除いた約670症例について分析した。

 寺嶋氏の分析では、千葉県内での陽性確認は3月31日に初めて10人を超えて11人になり、4月10日の43人が最多。だが、実効再生産数は2週間以上前の3月24日に発症した人の平均が2・8で最も高かった。

 同日に検査で陽性が確認されたのは5人だったが、市中での陽性判明前の感染者は約100人に上り、うち約60人は他の人にウイルスをうつす可能性がある状態だったとみられる。

 また、千葉県内の感染者について、実際にいつ感染したのかを発症日などからさかのぼって推定。3月20日ごろから10人以上に増え始め、ピークは3月31日の35人程度とみられ、検査による陽性確認のピークよりも10日程度早かった。

 実効再生産数については政府の専門家会議も言及、過去の提言によると、東京都でも同様の傾向を示していた。都内の推定感染日のピークは3月27日ごろ。実効再生産数は3月14日に2・6になったが当時、感染者の急増は明らかになっておらず、都の新規感染者の公表人数は3月25日に18人から41人に増え、4月10日に199人になっていた。

 実効再生産数 数値が「1」なら、接触した1人にうつしたことを意味する。接触制限や休業要請など実際の感染対策の効果が反映され、1を超えると流行拡大、1を下回ると収束に向かうことになる。何も対策を取っていない通常の環境での数値は「基本再生産数」。新型コロナウイルスでは暫定値で1・4~2・5との世界保健機関(WHO)のデータもある。

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