ヘルスケア

「除菌清掃サービス」に高まる需要 防護服を着た清掃員らが隅々まで除菌

 新型コロナウイルスをめぐる緊急事態宣言が全面的に解除され、ウイルスが存在することを踏まえた上での「新たな日常」が始まっている。学校や商業施設などが次々と再開されるなかで、除菌清掃サービスへの需要が高まっている。利用者や職員の感染リスク軽減とともに、安心感をもって再スタートを切れるよう、事業継続につなげていきたいという心理も働いているようだ。(飯嶋彩希、写真も)

 隅々まで拭き上げ除菌

 インターナショナルスクール「ザ・モンテソーリ・スクール・オブ・トウキョウ」(東京都港区)は施設再開を前に家事代行サービスなどを展開する「パソナライフケア」(千代田区)の除菌清掃サービスを依頼した。

 当日は防護服を着た清掃員らが次亜塩素酸ナトリウムや消毒用エタノールの薬剤を使って施設の隅々まで拭き上げ噴霧器で除菌、よく触る照明スイッチや遊具などは特に念入りに清掃した。

 2歳から中学生まで計約180人が通う同校では、各地で新型コロナの感染者が急増した3月に施設を閉鎖した。これまでに学校関係者で感染者は確認されていないが、同校のジェームズ・ムーア副校長は「約3カ月ぶりの登校再開に合わせ、生徒や保護者、職員の安心・安全につなげようと思った」とサービスを利用した理由を話した。

 同校では再開後、1クラスを午前と午後の部に分けて分散登校を実施。以前は毎朝行っていた登校時に児童・生徒と職員が握手する習慣も控えて、長時間「密」になるスクールバスの使用も避けている。

 「全てが未知の状態」

 各家庭には、新型コロナへの対応についてまとめた動画を配信。37・5度以上の発熱があったときの説明として、「ちょっと熱があるだけだから、おうちにいようね」と、職員が子供たちに語りかける内容となっている。

 「全てが未知の状態。生徒や社会の情勢を見て柔軟に対応したい」とムーア副校長は話す。

 その上で、「子供にとっては小さな変化も大きなストレスになる。なるべく不安を和らげたい」と力を込めた。

 清掃を行ったパソナライフケアによると、こうした施設からの除菌清掃の問い合わせは5月ごろから急増した。

 「再開前に施設を除菌したい」という内容のほか、自粛期間中も仕事を続けなくてはならなかった物流倉庫やコールセンターからの依頼も多かったという。なかには「感染者が確認されたのでウイルス除去をしてほしい」というものも寄せられたという。

 同社の担当者は「今後も安心して働ける環境づくりを支援していきたい」としている。

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