ヘルスケア

緊急事態解除1カ月 客足回復も「第2波」懸念根強く

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の全面解除から25日で1カ月を迎えた。首都圏有数の観光地である埼玉県の秩父地方では、県外からの客足が戻り始め、宿泊予約も増えている。地域経済は徐々に回復軌道に乗りつつあるが、流行の第2波到来への懸念も根強く、先行きは見通しにくい。

 「外出自粛の反動で、今までになく旅行需要が高まっている。宿泊予約が予想以上に入っている」

 こう話すのは、埼玉県秩父市のホテル「美やま」のマネジャー、北堀敬一朗さん(32)だ。7月の予約は前年同月の1・5倍に達しているという。

 都道府県境をまたぐ移動自粛要請が全面解除されて初の週末となった6月20、21日は、秩父鉄道秩父駅前の道路が「県外ナンバーの車で渋滞するほどだった」(周辺の店舗関係者)。北堀さんは「宣言が解除されたとはいえ、海外には行きにくい。国内の旅行需要は高まると考えている」と期待を込める。

 秩父地方の観光振興団体「秩父地域おもてなし観光公社」によると、感染拡大の影響はあったものの、昨年度の観光客数は前年度比3%減にとどまった。担当者は、夏休みに向けて「少しでも誘客の仕掛けを考える」と意気込む。

 とはいえ、東京都で判明する新たな感染者数は連日2桁で推移し、地方へ波及した事例も確認されている。第2波到来が現実味を帯び、宣言解除後も「3密」回避などが強く呼び掛けられる中、観光地への人出は増しても、以前のようにそぞろ歩きを楽しんだりする人の姿はそれほど多くないのが実情だ。

 秩父駅前の和菓子屋「エハラ製菓」社長の田端トシ子さん(74)は「車で来る人は多くても、感染を恐れてか、車を降りてお土産を買う人は少ない」と明かし、「今年は売り上げは回復しないと諦めている。百年に一度の惨事だ」と肩を落とした。

(竹之内秀介、中村智隆)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus