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“逃げ恥”から“デスノート”まで…ロケの聖地が解体へ 消える昭和の店 (2/2ページ)

 大衆居酒屋に試練 飲みながら店の片付け

 店は連日満員。ただ近年は、戦後の復興期に建てられた建物の老朽化が進み、家主から立ち退きを求められていたという。

 それに加え、4月に全面施行された「改正健康増進法」により全面禁煙にする必要もあり、その対応に頭を悩ませてもいた。

 老朽化に禁煙…。難題だったが、常連客も多いから続けるつもりでいた。新型コロナウイルスの感染拡大は、こんなタイミングでの直撃だった。外出自粛が呼びかけられるようになって以降、客足は一気に減り、緊急事態宣言の発出直前には「1日の売り上げが2900円の日もあった」(一山さん)という。

 結局、緊急事態宣言を受けて4月8日に休業に入り、そのまま再開することなく、5月28日に閉店する道を選んだ。建物の解体も始まる。

 「食材や大量の酒類が残っていて、1カ月かけて飲みながら店を片付けた」と一山さん。無念の思いもあるが、「居酒屋という形態が立ち行かない時代だ」と感じる。たばこを吸いながら大声で話し、酒を飲む「昭和の大衆居酒屋」は、時代の流れとコロナ禍に逆らうことはできなかった。

 スヰートポーヅやキッチン南海も

 「酔の助」から靖国通りを挟んでほど近いすずらん通り。ここで80年以上の歴史を持つ餃子専門店「スヰートポーヅ」が閉店したことが、10日に明らかになった。脳科学者の茂木健一郎氏や漫画「孤独のグルメ」の原作者、久住昌之氏、漫画家の江口寿史氏らが相次いで閉店を惜しむメッセージをツイッターに投稿した。

 また、昭和41年から続く洋食屋「キッチン南海」も建物の老朽化により54年の歴史に幕を下ろす。名物の真っ黒いカレーをはじめとした「思い出の味」をもう一度かみしめようと、店の前には連日、多くの客が列を作っている。こちらはのれん分けした「キッチン南海」が7月、近所に開店する予定だという。

 「酔の助」閉店の報を受けて、“逃げ恥”の公式ツイッターは「撮影にご協力頂き、素敵(すてき)な空間と時間をありがとうございました。40年間本当にお疲れ様でした」とツイート。多くのドラマや映画を彩り、学生たちの胃袋を支えてきた老舗の閉店で、神田神保町からまたひとつ昭和の風情が消えた。

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