ヘルスケア

慶応大のiPS心臓病治療を厚労省部会が了承 年内にも移植実施へ

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った心臓の筋肉(心筋)の細胞を球状に加工し、重い心不全患者の心臓に移植する慶応大の福田恵一教授らの臨床研究について、厚生労働省の作業部会が27日、計画の実施を了承したことが分かった。年内にも移植を実施する見通し。

 計画によると、心筋が薄くなって収縮力が落ち不整脈などの心不全症状が起きる「特発性拡張型心筋症」という難病の患者が対象。幅広い年齢で発症し、国内患者数は2万人以上とみられる。20歳以上75歳未満の重症患者3人に移植し、安全性と有効性を1年間確認する。5月に厚労省に審査を申請していた。

 iPS細胞による心臓病治療は大阪大が1月、シート状の心筋細胞を心不全患者に移植する世界初の手術を実施しており、慶大は2つ目の手法となる。日本人の死因の第2位を占める心臓病で治療法が拡大する意義は大きい。

 京都大の関連財団が備蓄しているiPS細胞から心筋細胞を作製。約千個をひとかたまりの球状に加工して、計約5千万個を特殊な注射針で心臓に移植する。

 阪大が心筋シートから血管形成を促進する物質を分泌させることなどで、心臓の機能改善を目指したのに対し、慶大は移植した心筋球を心臓の一部として成長させ、心臓そのものの直接的な機能回復を狙っている。

 また、iPS細胞に由来する細胞は、未分化のものが混ざると腫瘍やがんになる懸念が指摘されていることから、未分化の細胞を死滅させる作製法を開発。動物実験で、移植後もがん化しないことを確認した。

 iPS細胞から作製した細胞を移植する再生医療の研究は、既に目の病気や血液の病気、パーキンソン病で実施されている。心臓病では慶大、阪大のほか、京大も心筋シートを5枚重ねて移植する計画が学内の委員会で承認されている。

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