片桐実央の起業相談

コロナ禍での新たな門出

 今回は最近受けた起業相談の話をします。67歳の男性は9月中旬に焼き鳥店をオープンします。

 起業する人の数は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、4、5月ごろは激減しましたが、6、7月と徐々に回復してきました。コロナで起業を見送り、計画を白紙にした人もいれば、多少の足かせがあっても、覚悟の上で起業する人もいます。コロナによる影響は数年、数十年にわたるかもしれず、終わりが見えません。だったら待っている時間がもったいないから踏み切ろうという判断です。

 この男性は、メーカー勤務後、長年の夢だった飲食店の開業を目指した方です。男性の息子さんは飲食店の開業支援会社に勤めており、今回のお父さんの門出に最大限協力しています。息子さんは物件探しを知り合いの不動産仲介会社に依頼し、内装業者への交渉などもしました。

 一方、男性は息子さんの在学中に中学校のPTA会長をして地域社会に貢献してきました。20年以上、PTAとして活動していますので、地域に人脈もあります。開業したら、地域のお祭りやイベントへは積極的に出店して、焼き鳥を通じて地域社会に貢献していきたいと話しています。

 店はテークアウト専門で、広さは厨房(ちゅうぼう)と販売スペースだけの10坪弱です。下町のスーパーの目の前にあり、主婦に今晩のおかずとして焼き鳥も一緒に買って帰ってもらえるように考えています。焼き鳥の串だけを最初は販売予定でしたが、地域のサラリーマンもターゲットにするために、ランチタイムに向けて焼き鳥丼や焼き鳥弁当も販売します。

 息子さんは男性の夢を実現させるべく最高の親孝行ですね。これも一つの起業のあり方です。ご参考にしてください。

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