教育・子育て

「安全志向」で競争緩和されチャンス広がるか 大学入試の出願スタート (1/2ページ)

 来年度入学の大学入試の総合型選抜(旧AO入試)の出願受け付けが15日、始まった。大学入試改革によってセンター試験が大学入学共通テストに変わり、知識・技能だけでなく、主体性や思考力などを多面的に問う内容になるほか、新型コロナウイルスの感染防止などのため、各大学が異例の対応をとる。今後も感染拡大状況によっては変更される可能性があるといい、異例の入試シーズンが幕を開けた。(加納裕子、木ノ下めぐみ、地主明世)

 「密」を避ける

 大阪府内の私立高3年の女子生徒(18)は「早く合格を決めたい」と国立大の総合型選抜に出願する。母親(52)は「初めての大学受験の年に制度が変わって、かわいそうだった。志望校の選抜要項もなかなか発表されずやきもきしたが、気持ちを切り替えて挑戦しようとしている娘を見守りたい」と応援する。

 選抜要項の発表が全般的に例年よりも遅れた理由は、各大学がコロナ対応を迫られたからだ。

 京都工芸繊維大(京都市)は感染防止のため、総合型選抜の試験内容全般を見直した。1次選考は例年、大学で講義を受けてもらい、理解度を問うレポート作成を課しているが、今回は書類選考のみに。最終選考は大学で行うが、集団討論は面接に変更する。

 熊本大(熊本市)は、総合型選抜でのグループワークを中止。与えられたテーマについての受験生同士の討論で、リーダーシップや協調性を評価するものだが、複数の受験生が集まるため感染の恐れがあると判断した。筆記試験形式で経験や考えなどを制限時間内に書かせる「ペーパーインタビュー」を実施する。

 「プロセスを評価」

 一般選抜でも、主に実技試験の内容を変更する大学がある。「感染するのではないかというストレスなく受験できる形を目指す」と話すのは、天理大(奈良県天理市)の担当者。剣道と柔道、空手道の実技試験の一部を取りやめ、大きな声を出したり、投げ技や組手などで密着したりすることを回避する。評価は面接や受け身、足さばきなどで行う。

 試験当日の発熱などに対し検定料を返金する大学もあるが、園田学園女子大(兵庫県尼崎市)は、総合型選抜を含む年内の受験料の無償化に踏み切った。担当者は「コロナ禍の経済的理由から受験が厳しい学生を支援する。本校を考えていなかった受験生にも検討してほしい」と期待する。

 国立大もコロナの影響を考慮する。大阪大は英語検定試験の受験などがコロナの影響で難しいことから、総合型選抜と学校推薦型選抜では高校による成績証明書や、受験生が書いたレポートなど代替資料の提出を認める。京都大は、自宅などでのオンライン受験によるスコアでも出願可とした。担当者は「今年は努力のプロセスを積極的に評価する。成果にこだわらずに受験してほしい」としている。

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