ヘルスケア

航空機内のウイルス拡散を判定へ ボーイング等がせきシミュレーション

 ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングスとボーイングは5月から4カ月にわたり、マネキンやエアロゾルスプレー、センサーを搭載し、科学者が乗り込んだ旅客機を飛ばした。ウイルスに汚染された空気が機内でどのように動くかを調べるためだ。

 新型コロナウイルスがもたらす脅威を把握するための取り組みが世界的に展開されており、この調査はそのほんの一端にすぎない。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)で大打撃を受けた航空業界はこの調査結果をてこに、飛行機に乗ることを恐れるようになった顧客を呼び戻したいと考えている。空港の保安検査データに基づくと、米国の航空需要は2019年水準の3分の1にも満たない。

 新型コロナ流行で民間航空機に搭乗する兵士へのリスク懸念が浮上したことを受け、米軍は100万ドル(約1億500万円)規模の調査に着手。ユナイテッドとボーイングに加え、メリーランド州の生物兵器防衛・医療機器メーカー、ゼテオ・テックなどの企業が機器や専門知識を提供している。

 ゼテオのマイク・マクローリン副社長(研究担当)によれば、データ収集のため研究者らはボーイングとエアバスの7機種のさまざまな座席に人間の顔を模したマネキンを置き、人間がせきをした際のシミュレーションを行った。マネキンにせきをさせ、エアロゾル化した微粒子がどのようにして機内に拡散するかを分析する。

 実験は5月5日から8月末まで行われ、データ分析・検証は9月中に完了し、10月には最終報告書が公表される見込みだ。

 ボーイングはこれまで目にした調査結果についてコメントを控えている。同社は資料で「データに基づく分析研究やシミュレーション、モデリング、ライブテストを実施することで技術的観点から」ウイルス拡散の疑問に迫っているとし、これが新型コロナ感染症(COVID19)の伝染とリスクをよりよく理解する助けとなるだろうと説明した。

 ユナイテッドのトビー・エンクビスト最高顧客責任者は自ら目にした初期的な結果について、勇気づけられるとしているが詳細には触れなかった。「誰もができるだけ早く結果を得たいと熱望しているが、結果発表には正確を期したい」と電子メールでコメントした。(ブルームバーグ Justin Bachman)

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