ヘルスケア

クリスマス、初詣…専門家依然警戒 経済再生へ緩和モード加速

 政府が15日に開いた新型コロナウイルス感染症対策分科会(尾身茂会長)では、直近の感染状況について認識の共有を図った。感染症の専門家らは、決して収束傾向にあるとは判断していない。これから年末年始にかけてクリスマスや初詣など3密(密閉、密集、密接)が懸念される行事も続くだけに、感染状況を依然として警戒している。

(坂井広志)

 分科会は現在の状況について「多くの都道府県で大幅な増加がみられない一方で、急激な減少もみられない」との認識で足並みをそろえ、尾身氏は15日の記者会見で「一進一退」と表現した。

 厚生労働省に助言する専門家組織(座長・脇田隆字国立感染症研究所長)は13日に「4連休後の9月末頃より増加のみられる地域がある」と評価。脇田氏は会見で「漸増」と評価していたが、分科会では経済関係の有識者からこの分析に異論が出され、悲観的な見方は薄まった。

 とはいえ、分科会が楽観しているわけではない。10月はハロウィーン、11月は七五三、12月はクリスマス、年明けには初詣などと多くの人出が見込まれる行事が続き、お正月休みでは帰省などで人の移動が激しくなることが予想されるからだ。

 菅義偉(すが・よしひで)政権は感染拡大防止策と経済再生を両輪で進めており、観光や飲食店などの支援策「Go To キャンペーン」を展開。来夏の東京五輪・パラリンピックをにらみ、観光客を除き全世界からの入国を条件付きで再開している。

 15日の分科会で了承したプロ野球の試合で定員の80%程度の観客を収容する実証実験は、イベントの入場制限の緩和措置に反映される見通しで、経済社会活動の緩和は加速しそうだ。

 分科会には歓楽街での感染に関する分析結果も示された。栄(名古屋市)と中洲(福岡市)は「営業時間制限が奏功し、人出を減少させ感染を減らすことができた」とする一方、歌舞伎町(東京都新宿区)は「人出はあまり減っていないが、重点的にPCR検査を十分に行うことで、感染を減らすことができた」と分析した。

 西村康稔経済再生担当相は分科会後の会見で「緊急事態宣言のように幅広く休業要請を行うのではなく、ピンポイントでエリアを絞って、業種も絞った形で時間短縮や休業要請を行うのが大事だ」と述べた。

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