教育・子育て

コロナ対策が鍵 異例ずくめの大学受験、ホテルが支援工夫 (1/2ページ)

 一部で出願が始まった大学入試で、遠方から泊まりがけで受験する生徒らの新型コロナウイルス感染対策をホテルなどが進めている。朝食会場での感染防止対策や従業員のマスク徹底を検討し、宿泊先を紹介するサイトもこうした情報の掲載を決めた。今回の受験は大学入試改革の初年度であることに加え、新型コロナ禍の臨時休校による勉強の遅れなど異例ずくめ。さまざまな不安を抱える受験生のために、例年より早く「心を込めた応援」を強調したプランを用意したホテルもある。(加納裕子)

 GoTo入試

 旅行大手JTBは大学入試会場までのアクセスが便利なホテルなどを紹介する特設サイト「受験生の宿」を開設している。例年、受験シーズンが近づくと受験生へのお勧めプランを集めたサイトをオープンしているのだが、今月20日には、各ホテルの感染防止対策の情報を追加する予定だ。

 特設サイトに掲載されているプランには、早めにチェックインできたり、電気スタンドが借りられたりと、追い込み学習に便利なサービスも。このほか、昼食用の弁当や受験会場までの送迎などをオプションとして依頼できる例もある。

 近年では入試日程が多様化し、書類や面接などで選考する「総合型選抜(旧AO入試)」や高校などの推薦による「学校推薦型選抜(旧推薦入試)」の多くは年内に選考が行われる。来年2月1日チェックアウト分までは「Go To トラベル」の割引が適用されるプランを選ぶことも可能だ。ただ、割引の終了時期が変更になる可能性もあるとされ、同社の担当者は「最新情報をチェックして」と呼びかけている。

 マスク、消毒液徹底

 独自に「受験生応援プラン」を提供する西日本のホテルグループの広報担当者は「今年は受験のための予約の出足が鈍い」と話す。

 同グループでは全室に加湿器付きの空気清浄機を装備、電気スタンドを貸し出すなど受験生に快適な環境を整えるが、「今年は受験生に限らず、コロナ対策を気にして予約されるお客さまも多い」と担当者。朝食会場での感染防止対策や従業員のマスク徹底、手指消毒液の配備なども宿泊先に選ばれる判断基準になるとみて対策を取る。

 一方、周辺に大学が多い東京都千代田区の「ホテルグランドパレス」によると、予約状況は例年並み。総合型選抜の出願が9月に開始されるなどの入試日程を考慮し、昨年まで11月から提供していた受験生向けプランを今年は9月からに前倒しした。

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