ヘルスケア

東京都「破綻の危機」恐れ 入院患者数、確保病床数上回る可能性

 新型コロナウイルスによる医療現場の逼迫(ひっぱく)度は年末にかけても高まっている。東京都は30日のモニタリング会議で、感染拡大の勢いが抑制されなければ、2週間後を待たずに入院患者が確保病床数を上回る4千人超になる可能性があるとし、「(このまま増加が続けば)破綻の危機にひんする可能性が高い」と強い危機感をあらわにした。

 29日時点で都内の7日間平均の新規感染者数が751人(都外からの郵送検査分は除く)となり、19日連続で最大値を更新。入院患者は確保病床3500床に対して、29日時点で2274人。都は現在、医療機関に4千床の確保を要請しているが、専門家は現状の入院率が変わらなければ、2週間後を待たずに入院患者数が4千床を超える可能性があるとした。

 最近の感染者の年代別では20代が最多で30代も2番目に多い。小池百合子知事は30日、若い人でも入院、重症化するケースがあるとし、「コロナを甘く見ないでください」と呼びかけた。

 厚生労働省によると、23日時点での病床使用率について、北海道、東京、大阪などの7都道府県は、感染ピーク時の想定病床数などを基にした指標でステージ4(爆発的感染拡大)の目安にあたる使用率50%を超えており、現状ではさらに高まっている恐れがある。

 中部地方の大学病院の集中治療専門医は「東京のピークは約2週間遅れでやってくる。病床は空いては埋まり、そろそろ医療従事者も限界に近い」と訴えた。

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