コロナ その時、

(15)2020年6月19日~6月30日 解禁・開幕も「第2波」日常回復の背後に迫る (1/2ページ)

 移動解禁 駅や空港に人出

 政府が2020年6月19日、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための都道府県境をまたいだ移動の自粛要請を全面解除すると、ターミナル駅や空港に人出が戻った。

 羽田空港では19日、航空会社の職員らが搭乗案内を少人数ずつで行い、利用者らに対応していた。羽田-新千歳便に搭乗する都内の女性(80)は「(自粛要請の解除を)待っていましたが、やっと飛べます。でも、まだ不安なので、できれば外出はしたくなかった」と複雑な表情を浮かべた。

 イベントの人数上限も1000人に緩和され、プロスポーツも無観客での開催が認められた。緊急事態宣言の全面解除(5月25日)から約3週間が経過し、人々は不安を抱きながら「コロナ後」を見据え始めた。

 政府内でも「コロナのヤマは越えた」との空気が支配的になっていた。安倍晋三首相は19日、麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官らと約3カ月ぶりとなる夜の会食に臨んだ。

 しかし、活発化する人の動きは、新たな感染拡大を呼ぶ。東京都内が中心だった「夜の街」などでのクラスター(感染者集団)発生は全国に広がり、「第2波」につながった(肩書は当時)。

 日常回復の背後に迫る「第2波」 プロ野球3カ月遅れ開幕/夜の街や職場にクラスター

 真新しいユニホームに袖を通した選手が守備位置につく。「ビシッ」。球審がプレーボールをコールすると、投手が放った力強い白球がミットに納まる音が横浜スタジアムに響いた。

 6月19日、プロ野球が約3カ月遅れで開幕した。乾いた打球音、選手たちの掛け声…。普段はファンの声援にかき消されがちな、野球の“息づかい”がテレビなどでも伝わった。「不要不急」の代名詞とされたスポーツの再開は、国民の閉塞(へいそく)感をやわらげ、「日常」を取り戻す旗印となった。

 マスク生活が定着したこの頃、話題となったのが、カジュアル衣料品店「ユニクロ」の布製マスク「エアリズムマスク」。機能性肌着の素材が注目され、発売された19日には東京・銀座の店舗前に行列ができた。

 「新たな感染が一部の自治体にとどまっており、しっかりと対応できている」

 安倍晋三首相は都道府県境をまたぐ移動の自粛要請の解除を翌日に控えた18日、こう述べた。だが、感染防止と経済拡大を両立するのは難題だ。厚生労働省は19日、人の動きの活発化を見据え、感染者と濃厚接触した可能性がある場合、スマートフォンに通知が届く接触確認アプリ「COCOA」の運用を始めた。

 緊急事態宣言の全面解除から25日までの1カ月で、国内で約1500人が感染した。約半数を東京都が占めたが、ホストクラブやキャバクラなどの「夜の街」だけでなく、職場でもクラスター(感染者集団)が確認された。隣接する埼玉県をはじめ、各地で増加傾向が顕著になっていた。

 さいたま、宇都宮両市のキャバクラで28日、クラスターの発生が確認された。大阪でもクラスターが起きた繁華街のバー利用客の間に感染が広がった。

 世界で感染が再拡大していた。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は19日、「パンデミック(世界的大流行)が加速している」との認識を示した。10万人台で推移していた1日当たりの新規感染者は20万人に近づき、29日に累計で1000万人を超えた。

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