ヘルスケア

問診で相談続々、経過観察に30分 川崎のワクチン接種訓練ルポ

 川崎市立看護短期大(同市幸区)で27日に行われた新型コロナウイルスのワクチン接種会場運営訓練。医療関係者や市職員らが参加し、3密(密閉、密集、密接)回避や換気を徹底して行われた。各地の自治体が接種開始に向けて準備を進めているが、どのような課題が浮かび上がるのか。(玉崎栄次)

 予診票16項目

 訓練は午後1時から約2時間にわたり実施。会場となった短大の体育館は約250平方メートルと「どこの自治体にもある平均的な広さ」(市担当者)で、シートが敷かれた床には赤いテープで動線が示された。換気のため扉や窓は常時開放され、接種希望者役となった約20人の高齢者を迎えた。

 実際の接種では事前予約が必要。会場に到着した高齢者は体育館後方の入場専用口から入り、職員の案内で前後の間隔を空けて受け付けの順番を待った。

 受付には職員3人が待機。高齢者一人一人に非接触型の体温計で検温を行い、自治体から届く接種券(クーポン券)と身分証明書の提示を求めた。37度5分以上の熱がある人は会場には入れない。本人確認後、予診票と体温計が手渡される。

 3メートルほど進むと、15脚の椅子が1メートル間隔で3列に並ぶ。そこに座ってわき下で検温する傍ら、会場で用意されたペンを使い、予診票で持病や投薬の有無、当日の体調など16項目をチェックする。職員は椅子が空くたびに消毒を行っていく。

 相談対応に時間

 予診票を職員に手渡し、内容に漏れがないかなどの確認を受ける。ワクチンは期間をあけて2回接種が必要なため、その間隔や1回目のワクチン種別の確認を受けた上で先に進むと、12脚の椅子が間隔を取って配置されている。足元には番号が振られ、順番に医師による問診へと進む。

 「2番の方、1番の部屋へどうぞ」。ここからは職員の誘導で、高さ1メートル70センチほどのパーテーションで仕切られた3つの予診室に分かれ、それぞれに待機した医師から問診を受ける。

 「サバのアレルギーでじんましんが出るのですが、大丈夫でしょうか」「目に効くサプリを飲んでいます。問題ないですか」

 問診は当日の体調を確認し、接種の可否を判断する場だが、高齢者からは接種に対する不安の相談が相次ぎ、医師が丁寧に応じ、時間を要する場面もあった。

 「接種済」シール

 問診後は接種だ。予診室から3メートルほど先に1列に並べられた椅子で待機し、職員の誘導でパーテーションで区切られた2つの接種室に順番に入っていく。「腰に手を当ててくださいね」。椅子に座ると、看護師がその肩に注射器をあてるかたちで、ダミーのワクチンを接種。1人あたり1、2分で終えていた。

 接種後は隣接するテーブルで職員から、接種したワクチン種別などが記された「接種済証」のシールをクーポン券に貼ってもらい、体育館前方に移動。副反応としてアナフィラキシーなどの症状が出ることがあるため、看護師が見守る中で椅子に座り、15~30分間の経過観察を行った上で、異常がなければ出場専用口から会場を後にする。

 この日の訓練で1人あたりの接種にかかった時間は、経過観察も含め45~60分だった。立ち会った川崎市健康福祉局の坂元昇医務監は「問診の場面で高齢者から質問が相次いだ。その対応で流れが止まらないように、どう回避していくかが課題」と振り返った。

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