片桐実央の起業相談

どのような人が挑戦してるのか

 これから起業を考えている方は、すでに起業した方がどんな人で、どのように感じているか気になることでしょう。日本政策金融公庫総合研究所が実施した令和2年度の新規開業実態調査のデータから最近の起業状況を読み解いてみます。

 調査は同公庫の融資先で開業後1年以内の企業を対象に昨年7月に行われ、1597社から回答を得たものです。調査によると、開業時の年齢は40代が最も多く、次いで30代。50代以上も増えており、平均年齢は43・7歳で、平成3年度の調査開始以来最も高くなりました。女性の割合も調査開始以来最も高い21・4%。シニアと女性の起業家が年々増えてきていることが分かります。

 開業費用は「500万円未満」の割合が43・7%で最多。開業時の平均従業者数は3・2人と減少傾向で、少ない資金で小さく起業される人が増えてきていることが分かります。私の相談者も100万円以下の資金で1人で起業される方が一番多いです。

 新型コロナウイルスにより何らかの影響を受けたと答えた人は約8割もいます。データには出てきませんが、私の実感として、起業を見送った方もかなり多いと思います。

 ただ、調査では7割以上の人が開業に満足しています。こうした状況下で起業を決断した人は起業に対する思いも強いため、満足度も高まるのでしょう。起業することが必ず正しいわけではありません。リスクも少なからずあるのは事実。しかし、起業することで自身のやりたいことをかなえて充実した生活をされている方がたくさんいます。

 起業について悩みがあればご相談ください。連載は今回で最後となりますが、私はいつでも皆さまの起業を応援しています。どうもありがとうございました。

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