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唐招提寺の重文・華鬘の彩色よみがえる 奈良教育大が復元図制作

 奈良教育大(奈良市)の研究グループは、世界遺産・唐招提寺(同市)が所蔵する仏前の装飾品「牛皮華鬘残闕(ごひけまんざんけつ)」(重文、奈良時代)の彩色を再現した復元図を制作し、同寺に奉納した。約1200年前の彩色文様が鮮やかによみがえり、当時の文化の華やかさを伝えている。

 牛皮華鬘残闕は縦約100センチ、横約80センチと推定される大型の牛皮製。同寺金堂で使われたと考えられ、宝相華(ほうそうげ)と呼ばれる想像上の花や、鳥などの文様が描かれている。

 奈良教育大は平成30年度から、同寺に残る8枚のうち2枚について、赤外線撮影や蛍光X線分析を行い、色彩を調査。その結果、赤や青など5色を基本に、濃淡で変化をつける技法が多用され、計20色程度で彩られていることが判明したという。

 復元図を制作した浜村美緒研究員は「奈良から平安時代にかけての過渡期的な彩色がうかがえる。金堂にかかっていたなら、さぞ華やかだっただろうと思いながら復元した」と話している。

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