教育・子育て

大阪の休止要請で首都圏でも部活継続に広がる不安 「何としても大会に」

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大阪府は14日、学校に部活動の原則休止の要請を決めた。変異株は子供への感染力が強いとされ、学校現場でのクラスター(感染者集団)の発生も懸念される。全国高校総合体育大会(インターハイ)や夏の甲子園に向けた練習が山場を迎える中、リバウンド(感染再拡大)に対する警戒が高まっており、首都圏の学校現場でも部活動の継続に不安が広がっている。

 公式戦は可能

 決定を受け、府立高などでは部活動休止の判断を迫られる。ただ、公式戦には出場可能で、それに向けた練習についても活動時間を短縮するなどして実施できるとし、判断は学校に委ねる。小中学校や私立学校にも同様の対応を要請する。

 府立学校ではこれまで、部活動が要因とみられるクラスターが発生。府教育庁は2日、身体接触や大声を出すなど感染リスクのある授業や部活動の中止を要請しており、さらに対象を広げた形だ。

 若年層への感染拡大は大阪に限らず東京でも顕著で、同様の判断が拡大する可能性もある。

 再開したばかり…

 「インターハイ予選を間近に控えた部もあるので、放課後にグラウンドに出ている生徒は多い」

 東京都立高の副校長は部活動の状況をこう話す。生徒たちは平日は2時間、休日は3時間という制約を設け、練習に励んでいるという。「昨年は競技大会中止が相次ぎ、不完全燃焼のまま受験に臨んだ。何とか活躍の場を確保できれば」

 首都圏1都3県では2度目の緊急事態宣言中、活動時間や県外移動などに制限を設けた。東京都では1月5日から約2カ月間にわたり都立学校の部活動を全面的に中止。3月5日からは一部の学校で春の甲子園など特定の大会に出場予定の部に限り練習再開を認めたが、全ての部活動で宣言前の活動に戻ったのは宣言解除から2週間後の4月5日になってからだ。

 ただ、現在も都外の学校との練習試合などは中止されたままで、蔓延(まんえん)防止等重点措置の中で警戒を強めての活動が続いている。

 スポーツ庁では、感染状況に応じた3つの段階を設け、部活動中の3密(密閉・密集・密接)回避など感染リスクの抑制を学校現場に求めている。担当者は「部活動は教育的意義も大きい。大会も開催されているので対策を講じた上で行ってほしいが、地域により状況は異なるので自治体の判断を尊重したい」。

 大会への影響

 競技大会の先行きも見通せない状況だ。今月8日には、都の高校体育連盟が10日に予定していたインターハイ総合開会式の中止を発表。夏の甲子園も予選シーズンが近づき、生徒らの練習は山場を迎えている。リバウンドの状況次第で学校現場は苦しい判断を迫られることになる。

 「この春に卒業した生徒たちは無念だった。去年のようなことにならないといいが…」。学校関係者がこう振り返る首都圏の高校野球強豪校では、野球部の一部生徒が寮生活を送りつつ、週末は午前か午後のみに練習を絞り、長時間練習を取りやめている。同校関係者は「状況を見定めている状況で、都から部活動中止の要請があれば対応することになる」と話す。

 都内にある別の私立高でも昨年の緊急事態宣言解除以降、野球部の練習時間短縮を継続したままだ。寮の玄関に自動検温器を置き、食堂にはアクリル板を設けるなど学校生活全般で感染リスク回避を行っている。学校関係者は「安全を確保できるなら、子供たちには何としても大会に挑戦させてやりたい」と祈るように語った。

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