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紀伊半島豪雨から10年 和歌山・田辺の熊野地区で市道復旧

 平成23年の紀伊半島豪雨で地盤ごと崩れ落ちる深層崩壊が起きた和歌山県田辺市熊野(いや)地区で、市道約1・6キロが復旧し、現地で開通式が行われた。豪雨から今年9月で10年。国土交通省紀伊山系砂防事務所(奈良県五條市)が手がけていた最後の復旧工事が完成した。当時から市トップを務める真砂(まなご)充敏(みつとし)市長は豪雨を後世に語り継いでいく決意を示した。

 市によると、熊野地区では、紀伊半島豪雨で深層崩壊による土石流が発生し、11棟が全壊。2人が死亡、1人が行方不明になった。この影響で、日置(ひき)川支流の熊野川に大量の土砂が流れ落ち、川の流れがせき止められてできる天然ダムも形成された。砂防事務所によると、526万立方メートルの土砂が崩壊し、市道木守杣谷(こもりそまだに)線も一部が流された。

 砂防事務所は土石流の発生を抑える砂防堰堤(えんてい)を建設し、天然ダムの水がたまらないようにする埋め戻しに取り組む一方、崩壊した道路のそばに市道約1・6キロを再建。今年6月に開通させた。

 この市道完成で、近くの木守地区から最寄りの医療機関の大塔三川診療所までのアクセスが約15分短縮された。

 開通式で真砂市長は「この災害を後世に語り継ぎ、より災害に強いまちづくりを進めることが私たちに課せられた使命」と述べた。この後関係者がテープカットを行い、パトカーを先頭に5台の車両が通り初めした。

 岡田克哉・熊野区長(62)は報道陣の取材に「(豪雨から)10年は長かったが、この道路ができて区切りになった」と話した。

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