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飛び込み王子が悲願の金 誇らしく「私はゲイで五輪王者」

 26日の男子シンクロ高飛び込みで、トーマス・デーリー(27)、マティ・リー(23)組(英国)が471・81点で優勝した。

 大きな瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。「飛び込み王子」の愛称を持つトーマス・デーリー(英国)が、4度目の五輪で初の頂点に立った。マティ・リーと組んだ26日の男子シンクロ高飛び込みで、中国勢の大会5連覇を阻み、「信じられない。(競技開始から)20年間の努力が実り、特別な気持ち」と感慨にふけった。

 4本目の演技が勝負の分かれ目だった。後ろ宙返り3回半えび型で93・96点の高得点を出した英国組に対し、同じ技の中国組は73・44点と伸ばせない。15・30点差をひっくり返して首位に立つと、その後も完成度の高いダイブをそろえた。1・23点差で飛び込み王国の猛追を振り切ると、4歳年下の相棒に飛びついた。

 13年に同性愛を公表し、17年に米国の脚本家男性と結婚した。今は3歳になる息子がいる。若い頃、「自分は孤独で、どこにも居場所がない。社会の望む姿であるべきなのか」と悩んだこともあった。葛藤を乗り越え、愛すべき家族を手にした新王者は胸を張る。

 「私は今、誇りを持って言える。私はゲイで、五輪チャンピオン。みんなだって何にでもなれる」

 多様性と調和を理念とする今大会で輝きを放った27歳は、「早く息子に会ってハグがしたい」と母国で待つ最高のサポーターに思いをはせた。(川峯千尋)

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